帝京大学は、富士通が提供する学術ポータルSaaSを利用した図書館ポータルサイトを学生や教職員向けに提供開始した。富士通が11月1日に発表した。
帝京大学は5月に、富士通の蔵書管理などを行う大学図書館向け業務パッケージ「iLiswave-J V2」を導入。それまで4つのキャンパスごとにあった図書館システムを統合した。また、iNEOが提供する図書館向け電子書籍貸出サービス「Lib.pro」と同システムとを連携させ、大学の蔵書と電子書籍の情報を一括して検索できるシステムを構築している。今回、さらに進んだサービスとして、富士通のクラウドサービスである「Ufinity」を導入し、公共、大学図書館などの横断検索を実現したとしている。
これにより帝京大学は、従来、個別に存在していた蔵書、電子書籍、電子ジャーナルの検索サイトをポータルで統合。各キャンパスや他大学、近隣図書館にある蔵書や、多種多様な学術情報を一括で横断検索するサービスを提供する。同ポータルでは、この横断検索サービスを約2万名の同大学の全学生、教職員向けに提供する。検索結果画面からの本文情報の参照ができるほか、帝京大学に蔵書がなかった場合は他大学への相互貸借の依頼もでき、インターネットの購入サイトとも連携しているという。
さらにUfinityのコミュニティ機能を活用し、ゼミや研究室などのメンバー同士での情報共有を活性化させる方針。図書館スタッフが持つ図書調査、資料収集の専門知識をもとにインターネット上の膨大な学術情報を学部ごとに体系化して教職員や学生に提供するなど、今後、学習や研究を支援する場を提供していく予定という。
同ポータルは、富士通の館林システムセンターを利用することで高いセキュリティを確保するとともに、SaaSの特長を活かし、新たな設備投資をすることなく1カ月という短期間で構築したという。また、充実した認証機能により学生や教職員の自宅からなど、時間や場所にとらわれずに学習や研究に活用できるとしている。