NECは12月21日、公共図書館向け総合図書館システム「GPRIME図書館ソリューション」に電子書籍の検索、予約、貸出、返却に対応する新機能を追加した新システムを同日より販売開始すると発表した。なお、堺市立図書館において、同システムを活用した電子書籍の貸出サービスが2011年1月8日より開始される。
電子書籍への対応は、大日本印刷(DNP)などが提供する「電子図書館サービス」とGPRIME図書館ソリューションを連携させることで実現する。DNPの電子図書館サービスは、DNPと子会社のCHIグループが今年の10月より提供開始しているサービス。出版社の書籍コンテンツのデジタル化、使用許諾、配信までを一括で提供するという。これを活用することにより、図書館は、コンテンツの収集、著作権への対応の課題を解決することができるという。今回の機能強化により、GPRIME図書館ソリューションと電子図書館サービスが連携することで、紙媒体の一般書籍と電子書籍の貸出と統合検索、および一元管理が可能になるとしている。
電子書籍対応機能では、利用者は自宅などのパソコンからインターネットを介して電子書籍を利用できる。貸出手続きを行った後、電子書籍は24時間365日、返却期限までいつでも利用が可能になる。また、拡大表示や読上げ機能等、電子書籍ならではの読書支援機能を利用できる。
電子書籍の利用に必要なID(利用者番号)とパスワードは、インターネット予約用のID、パスワードと同じものを利用できるシングルサインオンを採用。電子書籍を利用するために別のIDやパスワードを取得する必要がない。また、利用者情報を一元管理することで、利用者の個人情報の収集と管理を重複して行う必要が無くなり、職員の負担を軽減できるという。
電子書籍は、専用ページから電子書籍のみの検索と、蔵書検索システム「WebOPAC」を使って一般書籍と合わせて検索する2通りの方法で検索できる。どちらから検索しても、検索結果の表示画面から簡単な操作で貸出手続きに進むことができるという。また、電子書籍の所蔵状況や利用状況は一般書籍と同じように管理し、図書館システムの統計機能や帳票機能を利用して、所蔵一覧や利用統計等を出力できるとしている。
GPRIME図書館ソリューションの電子書籍対応機能の価格は120万円(税別)から。同機能のSaaS型での提供も可能という。NECは、今後3年間で約50の団体への提供を目指す。