NECとLenovo Groupは1月27日、両社の出資による合弁会社「Lenovo NEC Holdings」を設立すると発表、19時より緊急記者会見を開催した。
両社は6月中をめどに「NEC レノボ・ジャパン グループ」を発足。グループの発足にあたりNECはLenovoが新規発行する1億7500万ドル相当の株式を引き受ける。Lenovo NEC Holdingsは同グループの持ち株会社となり、100%子会社として現NECパーソナルプロダクツのPC事業を分離して設立する新会社「NECパーソナルコンピュータ株式会社」と、現在のレノボ・ジャパンが傘下に入る。
NEC 代表取締役 執行役員社長の遠藤信博氏は、Lenovoとの提携により「両社の開発連携で製品力が強化されることはもちろん、スケールメリットによる価格競争力もつく。また、NECのビジネスPCの海外展開が拡大できるといった効果もある」と述べた。
一方、Lenovo Group 最高経営責任者(CEO)のYuanqing Yang氏は、「NECは日本のPC市場でリーダー的な存在。ブランド力も高く、Lenovoの日本におけるブランドイメージの向上とカスタマーベースの拡大につながるだろう。LenovoのThinkPadは、IBM時代にもともと日本の大和研究所にて開発された製品で、日本に根付いている。今回の提携は、われわれが日本市場によりコミットすることを示している」とした。
Lenovoは、2005年にIBMからPC事業を買収し、ThinkPadブランドを手に入れた。Yang氏は「われわれはIBMからPC事業を買収した際、別々の会社をひとつにまとめた経験がある。うまく企業を統合する経営の必須条件も心得ており、今回の合弁会社もスムーズにいくだろう」としている。
合弁会社設立後も両社は製品ブランドを維持し、国内PC事業の顧客サポートや製品供給、製品保証などの業務も従来どおり継続する。個人向け製品はNECパーソナルコンピュータとレノボ・ジャパンがそれぞれの製品を販売し、NECブランドの企業向け製品の販売は今後もNECが担当する。
今後両社は、PC事業のみならず、タブレット端末などの開発や生産、販売に関する協力、およびサーバなどITプラットフォーム製品の販売協力などにおいても事業連携を検討するという。「まずはこの合弁会社を成功させることが先決だが、今後は他の分野でも協力できるだろう」とYang氏は述べ、携帯電話端末などの分野での提携についても「可能性はある」とした。
今回の提携では、NECパーソナルプロダクツのPC事業部のみが分社化され、NECパーソナルコンピュータへと移行することになる。その他事業部について遠藤氏は「PC事業がなくなることで再編成の必要が出てくる可能性はある。今後の編成については、実際に合弁会社が動き出してから最適な配置を考えたい」としている。ただし、ユビキタス事業開発本部については、すでにNECへの移管が決まっているという。
新合弁会社では、現NECパーソナルプロダクツ 代表取締役執行役員社長の高須英世氏が社長に、現レノボ・ジャパン 代表取締役社長のRoderick Lappin氏が会長に就任する予定。高須氏は「Lenovoの調達力と開発力を最大限に活用し、今まで以上に顧客のニーズに合致した製品を作りたい」とし、Lappin氏は「NECの日本市場に対する高い知識や製品水準と、グローバル市場でプレゼンスの高いLenovoの強みを生かし、顧客に魅力的な製品をより競争力のある価格で提供できる」と述べた。