MSとノキア、携帯事業で提携--Windows Phone 7をノキア端末で採用へ

文:Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正:編集部

2011-02-11 23:07

 MicrosoftとNokiaは米国時間2月11日、携帯電話に関する広範囲な提携を発表した。この提携により、強い影響力を持つものの迅速性に欠ける2つの企業が携帯電話市場において協力し合うことになる。

 これまでの予想の通りNokiaは、同社最高経営責任者(CEO)Stephen Elop氏のメモで明らかにされていた競争上の不振から脱する計画の一環として、Microsoftの「Windows Phone 7」OSを使用することを予定している。


ロンドンで提携を説明するNokiaのCEOであるStephen Elop氏(左)と、MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏(右)。
提供:screenshot by Stephen Shankland/CNET

 今回の合意は、Nokia製携帯電話に同OSをインストールする以上の内容となっている。両社は、今回の提携を「第3のエコシステム」構築のための試みと呼んでおり、Appleの「iOS」やGoogleの「Android」と競争するには、電話機、開発者、モバイルサービス、キャリアとのパートナーシップ、ソフトェアを配布するためのアプリケーションストアを含めた提携が必要であることを認めている。

 Elop氏とMicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏は、「他にもモバイル関連のエコシステムは存在するが、われわれはこれらを崩壊させるつもりである。困難も待ち受けているだろうが、われわれはそれに打ち勝つつもりだ。成功にはスピードが必要。素早く行動するつもりだ」と大胆な表現を使った書簡を公開している。「われわれは、ともに好機を見いだしており、ともに成功に向けた気力、意志、リソースを持っている」


NokiaのCEOであるStephen Elop氏。
提供:Nokia

 両社は、合意の下で密接に協力する予定だが、この合意はあくまでも案であり、最終的なものではないと述べている。今回の取引によって、Windows Phone 7がNokiaの主要なOSとなる一方で、同OSを開発すること、および、同OSを使用する幅広い種類の携帯電話機を世界規模で発売することにおいて、NokiaはMicrosoftを支援する。

 Nokiaが利用するMicrosoftのオンラインサービスの多くはライバルであるGoogleの後を追っている。検索および地図ではBing、広告ではadCenterなどのサービスである。


NokiaとMicrosoftは提携で、モバイル電話ビジネスのすべての分野に関わる「3つ目のエコシステム」を計画している。
提供:Nokia

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

  5. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]