Software AG、ビジネスプロセス改善の需要にらみ売上3割増を目指す

大川淳

2011-02-16 11:44

 ソフトウェア・エー・ジーは、IDSシェアー・ジャパンを2011年1月1日付で合併したことに伴う新事業戦略を発表した。「ビジネスプロセスエクセレンス」(BPE)に焦点をあてて新戦略を展開する。代表取締役社長の須崎弘一郎氏は、「2011年度は前年同期比で売り上げを30%伸長させる」との目標を掲げた。

 同社では、ビジネスプロセスマネジメントを継続的に実施する「改善」の仕組みがBPEであるとしており、その実現のために2011年度の新戦略を策定した。「企業の外部環境が激変しており、迅速性、柔軟性が求められるなか、今後ビジネスプロセス改善のための投資が増える」(BPE グローバルサービスマネージャーの冨樫勝彦氏)と同社ではみている。

代表取締役社長 須崎弘一郎氏 代表取締役社長 須崎弘一郎氏
冨樫勝彦氏 冨樫勝彦氏

 ソフトウェア・エー・ジーは2011年度、顧客第一主義を基本理念に(1)顧客支援、(2)パートナーとの連携強化、(3)コンサルティングサービス、(4)製品――に重点を置き事業を展開する。

 (1)の顧客支援では、エンドユーザーとの関係を強化し、継続的でより良いサービスを提供するためにCRM本部を新設する。さらに、定期的に顧客満足度調査を行い、市場の最前線からの生の声を吸い上げ、今後の製品開発やサービスに反映させていく。そのほか、現状では「webMethods」だけに留まっているユーザー会を拡張。他の製品にも拡大し、顧客とパートナー間での交流促進と製品の情報提供などを強化する。旧IDSシェアーのARIS Platformユーザーに対するサポートサービスは、今後もソフトウェア・エー・ジーが提供する。須崎氏は「顧客やパートナーのよき相談相手となり、信頼される企業を目指す」と話す。

 (2)パートナー戦略としては、チャネル本部を設置し、共同プロモーション、パートナープログラムなどを展開するほか、トレーニングや教育プログラムを通じてパートナーへの支援と協力体制をいっそう強くしていく方針。2011年度は間接販売の比率を向上させる意向だ。

沖村一宏氏 沖村一宏氏
高野忍氏 高野忍氏

 (3)コンサルティングサービスの点では、ITトランスフォーメーションを提供してきたソフトウェア・エー・ジーのサービス部門と、業界別プロセスコンサルティングを提供してきたIDSシェアー・コンサルティングを統合する。まずは35人体制で始動し、年内には50人程度に増員したい考えだ。また、IDSが手掛けてきたSAPコンサルティングも継続して提供する。同社取締役兼 プレジデント オブ グローバルサービスの沖村一宏氏は「海外の拠点とも連携し、グローバルなサービスを推進する。また、SAPユーザー支援も一つの要点」と語る。

 (4)製品戦略ではBPEの実現を目指す。同社は「IDSシェアー・ジャパンの合併により、ビジネスプロセスマネジメントのすべてのサイクルをカバーできるようになった」(ソリューション アーキテクト マネージャー高野忍氏)としており、包括的にITプロセスの改善を支援するwebMethodsと、今回の合併で同社製品系列に加わったARISを基盤としてBPEの普及を加速させる。

 ARISは、プロセスモデリングとそのパフォーマンス管理を担う製品。今後、両製品は相互補完的に統合が進められる予定。2011年4月に提供される「webMethods 8.2」と「ARIS 7.2 Release」では、両製品を一つのダッシュボ-ドで管理できるようになるという。

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