大分県のシステムインテグレーター(SIer)のオーイーシー(OEC)は、大分県内の自治体や民間企業を対象にしたエリアクラウド「豊の国IaaS」の基盤としてIT基盤製品「Vblock 1」を選定した。Vblockを提供するVCE連合とネットワンシステムズが2月16日に発表した。
豊の国IaaSは、OECが運用管理するデータセンターを利用して、大分県と自治体、民間企業に向けて行政業務システムなどの基盤となるIaaSを提供。そのIaaSを活用したSaaSをOECの関連会社から提供することも想定している。豊の国IaaSは3月からの提供を予定している。
OECは豊の国IaaSの要件として、セキュリティの確保、拡張要求に対して柔軟にハードウェアを増設できること、季節的なものや制度新設時などの一時的な需要拡大でもリソースを割り当てできること、サービスごとの管理の簡素化、プロビジョニングの柔軟性の確保を挙げている。この要件を満たす基盤として、ネットワンはVblock 1を提案して採用されている。Vblock 1で稼働できる仮想マシン(VM)は800~3000となっている。
豊の国IaaSは、大分県情報ハイウェイである「豊の国ハイパーネットワーク」を利用予定であり、ネットワンはセキュアで利用しやすい接続ポリシについて最適な接続構成を提案。障害時の保守でも、迅速に対応できる体制を敷いているという。豊の国IaaSの運用管理については、ネットワンのグループ会社のエクシードのノウハウを提供することで支援する予定としている。
Vblockは、中規模向けのVblock 1のほかに、大企業やサービスプロバイダーを対象にした「Vblock 0」(稼働できるVMは3000~6000)、小規模向けの「Vblock 2」で構成されている。Vblockを提供するVCE連合は、シスコシステムズとEMCジャパン、ヴイエムウェアで構成される。
今回のVblock 1は、シスコのサーバ「Cisco Unified Computing System(UCS)」と仮想ネットワークスイッチ「Cisco Nexus 1000v」、SANスイッチ「Cisco MDS」、EMCのユニファイドストレージ「Celerra」、パス管理ソフト「PowerPath」、ヴイエムウェアの仮想化関連ソフト群「VMware vSphere 4」を組み合わせている。