TumbleweedとFactory
openSUSEを見直すべきもう1つの理由は、openSUSEの開発者たちがTumbleweedプロジェクトと呼ばれるローリング(随時)リリース版のopenSUSEを導入したことだ。ローリングリリース版が標準的なリリースと異なるのは、固定された定期的なリリースサイクルに縛られないという点だ。これによって、ユーザーは常に最新で安定したリリースを手元で使うことができる。
openSUSEは今回のバージョンでFactoryプロジェクトも提供するが、これはTumbleweedとは対照的に、ユーザーが最新かつ最先端のソフトウェアを使えるようにするものだ。Factoryは、次の安定版リリースのために準備されている、不安定で、開発中の最新リリースを提供するものだ。ユーザーは試してみたいものを選ぶことができるが、Factoryはどちらかというと開発者やテスターのためのものだ。
触れてみた印象は
わたしはopenSUSE 11.4をテスト用マシンにインストールしてみた。表示のエフェクトがNVIDIAのオンボードGPUに対応していなかったが、それでもこのリリースは印象的だった。これまで使ったことのあるどんなディストリビューションと比べても安定性に遜色はないし、インストールした時点から、すぐに仕事に使うことができる。openSUSEのデスクトップやラップトップはどんなユーザーにも勧められるし、きっと役に立つだろうと感じられる。
2つの問題
openSUSEの開発者に対しては、2つのアドバイスを贈りたい。まずは、インストール後すぐにでもユーザーがフォルダを共有できるように、「Samba」をデフォルトでインストールすべきだ。KDE 4.6には、ファイルマネージャの中からフォルダを簡単に共有できる機能があるが、それを利用するには、Sambaをインストールして使えるようにしなくてはならない。
次に、もっとユーザーが使いやすいソフトウェアの追加・削除ツールを用意することを強く勧めたい。用意されているGUIツールはよいものだが、「Synaptic」や「Ubuntu Software Center」には遠く及ばない。openSUSEはこのツール1つで、新しいユーザーを遠ざけている。
結論
もし、読者がどのディストリビューションを使うか悩んでいるのなら、openSUSEをもう一度試してみることを強くお勧めしたい。「openSUSE 11.4」のリリースは、openSUSEは消えていく運命だと思っている人に考え直させてくれるはずだ。openSUSEはわたしの選ぶベストLinuxの強力な候補として蘇ったと言っていいだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。