レッドハットは4月1日、サービス連携基盤の最新版「JBoss Enterprise SOA Platform 5.1」の提供を開始した。また、Eclipse 3.6をベースにJBoss Enterprise SOA Platformを含むJBoss Enterprise製品すべての開発に必要な最新のプラグインを組み込んだ「JBoss Developer Studio 4.0 Portfolio Edition」も同時にリリースした。
JBoss Enterprise SOA Platformは、企業のSOA基盤を構築するために必要な機能を包含した単一のプラットフォーム製品。主な機能としては、エンタープライズサービス(ESB)、ビジネスプロセス管理(BPM)、ビジネスルール実行エンジン(Rule)などが含まれる。同プラットフォームを活用することで企業SOA基盤の構築を低コストかつ短期間に行えるとしている。
最新版には、Java EEアプリケーションサーバとして、JBoss Enterprise Application Platform(EAP) 5.1が採用されている。これによりJBoss EAP 5.1で拡張されたRESTful Webサービス機能やApache CXFなどのWebサービスフレームワークなども利用できるようになった。
また、最新版のルール機能は、機能強化されたJBoss Enterprise BRMS 5.1のルール管理システムと相互運用できる。これにより、複雑なビジネスルールの管理をJBoss Enterprise BRMS 5.1でで行い、SOAの実行基盤としてJBoss Enterprise SOA Platform 5.1を活用した相互運用が実現できるという。
同時にリリースされる統合開発環境(IDE)であるJBoss Developer Studio 4.0 Portfolio Edition を活用することで、サービス連携の開発効率を大幅に向上でき、特に、SOAPやRESTful Webサービスを利用したWebサービス間のサービス連携の開発に有効としている。
また最新版では、「WS-BPEL 2.0」および「Apache Camel Gateway」の実装が、技術評価目的のプレビュー機能として公開された。これにより、標準に準拠したWebサービスオーケストレーションのための基盤として利用できるようになるという。Apache Camel は、Enterprise Integration Patternのフレームワークとして注目されており、標準的なSOAの連携パターンの実装が可能になる。なお、両機能のテクニカルサポートは、次にリリースされるマイナーバージョンから提供する予定だという。
JBoss Enterprise SOA Platform 5.1は、オープンソースソフトウェアとして、年額のサブスクリプション形式で提供される。サブスクリプション費用は、16コアあたり249万6000円(税別)から。テスト環境から本番稼動時における問題分析などのテクニカルサポート、製品アップグレード、修正プログラムの提供を含む年額料金となる。また、JBoss Developer Studio 4.0 Portfolio Editionは、JBoss Enterprise SOA Platformの1サブスクリプションあたり25名までの開発者が利用できる。