編集部からのお知らせ
「ZDNet Japan Summit」参加登録受付中! 
新着記事集:「負荷分散」

クラウド普及の足かせは相互運用性とデータのポータビリティ--IEEE見解

田中好伸 (編集部)

2011-06-30 10:01

 クラウドコンピューティングの長期的な普及の足かせは、セキュリティよりも相互運用性とデータのポータビリティにある――。米電気電子技術者協会(IEEE)がこのような見解を明らかにしている。

 現在利用できるクラウドサービスは、クローズドシステムとして利用されており、相互に疎通できるようには設計されていない。こうしたサービス間での統合の欠如は、組織同士がシステムをクラウド上で統合する妨げになっており、生産性向上と費用削減の障害になっていると指摘されている。この問題に対処するため、クラウドサービスプロバイダーは相互運用性のあるプラットフォームを構築して、データのポータビリティを実現するための業界標準を策定する必要があると言われている。

 IEEEの最高情報責任者(CIO)であり、1990年代からGartnerのアナリストとしてクラウドを提唱しているAlexander Pasik氏は「確かにセキュリティは非常に重要な問題だが、普及を妨げる要素ではない」と説明。その上で「クラウドが成功するためにスケールメリットを享受するには、ユーザーがアクセスしている場所にとらわれずに、サービスやアプリケーション開発を行き来できたり、組織がコスト効率よく自社のITシステムをサービス指向モデルへ転換できるようなプラットフォーム構築が必要」と主張している。

 IEEEのフェローであり、パデュー大学でコンピュータサイエンスの教授と情報保障教育研究センターのリサーチディレクターを務めるElisa Bertino氏は「相互運用性の問題は、すでに認識されているデータセキュリティの問題よりも喫緊の課題」と指摘。「クラウド上のセキュリティは企業ネットワークの問題と大差ない。企業はデータをクラウド上へ移行しても、自社のリスクを高めることにならない」と説明している。むしろ「データ保護をビジネスとする、セキュリティ技術の専門ベンダーが管理するクラウド上に情報を保管することで、より強固に情報は守られることになる」としている。

 IEEEのメンバーであり、英BTのデータセンターでグローバル代表を務めたSteve O'Donnell氏は、最も懸念される問題はIT管理者の制御に関するものであるとしている。

 「現在、データセンターと同様、セキュリティの管理とクラウド上の有効性を実現する企業向けツールが欠如している。企業は自らのデータセンターは堅牢で有効性があると信じており、クラウド上のセキュリティと有効性の管理も第三者に委託するのではなく、自社で行いたいと考えている」(O'Donnell氏)

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. クラウドコンピューティング

    Google Cloudセキュリティ基盤ガイド、設計から運用までのポイントを網羅

  2. セキュリティ

    仮想化・自動化を活用して次世代データセンターを構築したJR東日本情報システム

  3. ビジネスアプリケーション

    スモールスタート思考で業務を改善! 「社内DX」推進のためのキホンを知る

  4. セキュリティ

    Emotetへの感染を導く攻撃メールが多数報告!侵入を前提に対応するEDRの導入が有力な解決策に

  5. セキュリティ

    偽装ウイルスを見抜けず水際対策の重要性を痛感!竹中工務店が実施した2万台のPCを守る方法とは

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]