震災後増加のテレワーク導入企業は全体の2割--「支障なく実施できた」は7割

富永恭子 (ロビンソン) 2011年07月07日 05時00分

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 NTTデータ経営研究所は7月6日、「東日本大震災後と柔軟なワークスタイル」に関する調査結果を発表した。この調査におけるテレワークの定義は 在宅勤務をはじめとする「ICT(情報通信技術)を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」としている。

 震災直後のテレワークの導入状況では、以前から制度を整備して導入している企業は10.6%、裁量で導入した企業は3.2%と、震災直後から徐々に増加し、全体のおよそ2割がテレワークを導入していることがわかった。日系企業が13.1%に対し、外資系企業は4割を超えた(45.0%)。震災前後でテレワークを導入する企業のうち、計画停電や交通混乱の状況のなかで「テレワークを支障なく実施できた」企業は7割を超えたという。

 夏場の電力削減、震災の備えとしてテレワークなど柔軟なワークスタイルの「必要性を感じる割合」は、従業員500人以上の企業で半数を超え、5000人以上では6割を超えた。テレワーク導入企業が「必要性を感じる」割合は75.9%を占め、未導入企業の46.3%と比べて大きく差が開いた。

 一方、夏場の節電、ピーク時の電力削減、今後の震災への備えと柔軟なワークスタイルについて、東京電力と東北電力の管内で事業所を持つ企業に対して、夏場の全社的な節電目標を聞いたところ、65%の企業が15%前後の節電目標を設定しており、節電効果を試算済みの企業は約4分の1を占めることがわかった。だが中小企業では、節電対策や節電効果試算の取り組みの遅れもみられると同研究所では説明している。

 夏場の電力削減対策として、最も広く検討されている節電対策はクールビズで半数を超えており(54.3%)、次いで所定外労働の削減(25.3%)、LEDなど省エネ機器の拡充(23.3%)となった。業種によっては、休日や勤務時間などの変更による対策に差があり、高い節電目標を掲げる企業では、休暇の増加やオフィスの閉鎖など、多様なワークスタイルの変更で取り組みを検討しているという。

 柔軟なワークスタイルに向けた施策として、最も実施率が高かったのは「テレビ会議など遠隔会議」で5割弱を占めた。次いで「ペーパーレス化」、「社員の所在(安否)・プレゼンス管理」、「知識・情報共有」と続いた。テレワーク導入企業は、未導入企業よりも、柔軟なワークスタイル実現のための施策が多様だとしている。

 特に情報セキュリティ関連のポリシーなどの見直し、会社が準備したPCによる自席以外での勤務、テレビ会議で大きく差が開いたとしている。外資系企業は日系企業と比べて、メッセンジャーやチャットツール、遠隔会議、スマートフォンなど多様なIT機器を利用し、個人所有のITインフラによるテレワークなどの実施率が特に高いと同研究所は指摘している。

 柔軟なワークスタイルに向けた施策の有効性について最も支持率が高かったのは「知識・情報共有 (ナレッジマネジメント)環境の整備」で75.1%。「ペーパーレス化」や「テレビ会議などの遠隔会議」、「従業員のプレゼンス管理」、「情報セキュリティポリシー・ルールの見直し」は、いずれも支持率が7割以上を占めることがわかった。

 柔軟なワークスタイルに向けた課題のトップは、「施策費の確保」で約7割、続いて「施策推進するための知識、技術をもった人員の不足」「情報の漏えい、改ざんリスクへの不安」となった。

 柔軟なワークスタイル実現の前提条件として、優先度の高い項目は「会社と従業員が相互に信頼し、従業員同士も支えあう組織文化の創造」が6割と最も高くなっている。続いて「震災を機に、働き方や休暇の取得(ワークライフバランス)など、仕事と生活全般のあり方を見直す機運を高め、 環境整備を行う」「都市や地域を問わず、自分が住みたい地域で暮らし、仕事ができる仕組みや環境をつくる」となった。

 一方、従業員がどのようなスキルや能力を持つ必要があるかについては「指示がなくても自律的に動ける力」 が最も多く6割以上を占め、続いて「自分一人でタイムマネジメントできる力」「主体的に周囲に働きかけ、仕事を進められる業務遂行力」だったとしている。

 調査は、社員の安全や安心の確保を前提とした、企業の今夏の電力削減対応策、今後の震災への備え、事業継続計画(BCP)、少子高齢社会での一層の生産性向上策などをめぐり、テレワークなど柔軟なワークスタイルに関して、NTTレゾナントが提供する「gooリサーチ」登録モニターを対象にした。

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