アイ・ティ・アール(ITR)の調べによると、国内のPaaS/IaaS市場は2010年度に前年の3倍となる280億円になったという。本格的に市場に参入するベンダーが増えたことが背景にあるとしている。
ベンダーシェアを見ると、2009年度と大きく様変わりしているという。トップに位置していたセールスフォース・ドットコム、2位のIBMとAmazon Web Servicesはそれぞれ2010年度も売り上げを大きく伸ばしている。
だが、遅れて2010年度から市場に参入した富士通が2位以降の倍以上の売り上げを達成したことで、シェアも2倍強の17.9%を獲得したとしている。富士通はサービスメニューの豊富さから海外展開している大手既存ユーザーを中心に急速に導入が進んだことが、その要因と分析している。
ITRのシニア・アナリストである甲元宏明氏は、「2010年度までは国内ユーザー企業のPaaS/IaaS利用は、バックオフィス系が多かった」と説明。「2011年度以降は、ビジネスの最前線の用途で活用している企業が増加している。ビジネス価値の高い用途でPaaS/IaaSが浸透しつつあり、今後このような用途がますます加速する」と予測している。2011年度の市場は前年比で倍増するとしている。