Citrix Systemsは、11月17日に同社の戦略に関する説明会を開催した。2011年初頭から、5月と10月に米国とスペインで開催された「Citrix Synergy 2011」、および日本で10月4日に開催された「Citrix iForum 2011 Japan」を経てのアップデートとなる。
シトリックス・システムズ・ジャパン代表取締役社長のMichael King氏は、日本で3月11日に発生した東日本大震災を受け、ITによる被災者支援の一環として、オンライン会議システム「GoToMeeting」をはじめとする同社オンラインサービスの1年間無償提供を実施したことに言及。さらに、日本にオフィスを設置してから14年が経ち、研究開発部門も置いている点に触れ、「日本の顧客やパートナーをこれからも支援し続けていく」と述べた。
既に「Citrix Synergy」の基調講演レポートでも触れたように、同社は「3つのPC」のコンセプトに基づいて、戦略的かつ積極的な買収を続け、旧来のデスクトップ仮想化分野のみならず、ネットワーキングやクラウド構築ソフトウェアの分野にも業容を拡大。それに伴い、日本でのパートナー数とユーザー数も大きく伸びているとする。10月の「iForum Japan」には、2500名の事前登録があり、24社のスポンサーが参加したという。
シトリックス・システムズ・ジャパン代表取締役社長のMichael King氏
King氏は、5月のSynergyに合わせて発表されたKavizaの買収について言及。獲得したSMB市場向けの仮想デスクトップ導入パッケージ「VDI-in-a-Box」を今後、日本市場においても成長分野として積極的に展開していく意向を示した。同製品は、100から1000ユーザー規模の企業で仮想デスクトップ環境を導入するために必要な、ディスクリソース、デスクトップ配信機能、管理機能などをオールインワンで提供する製品。今四半期中にリリース予定の最新版では、シトリックスのリモート管理サービスである「GoToManage」とVDI-in-a-boxとを組み合わせたソリューションが提供されるほか、チャネルパートナー向けにSMBスペシャリスト認証プログラムを開始することなどが発表されている。
King氏はVDI-in-a-Boxについて、「デスクトップ仮想化に必要なあらゆる機能をセットにした“弁当”のようなソリューション」と表現。「中小企業における仮想デスクトップの導入を進めるチャンスだ」として、Windows XPの延長サポートが終了する2014年を目前に、IT環境の刷新を検討している中堅中小規模企業への対応を強化する。
2011年のシトリックスの動向