キヤノンMJ、複合機用アプリケーション新ソフト--ムダな印刷コストを削減

田中好伸 (編集部)

2011-11-25 17:11

 キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は11月24日、複合機用アプリケーションソフトの新製品として「えらんでマイプリント for MEAP ADVANCE」と「サーバレス Anyplace Print for MEAP ADVANCE」を2012年1月中旬から発売することを発表した。税別価格は前者が4万円、後者がオープンとなっている。

 MEAP ADVANCEは、同社の複合機「imageRUNNER ADVANCE」のアプリケーション基盤。ICカードによる認証やセキュアプリントなどのほかに、統合基幹業務システム(ERP)や企業コンテンツ管理システム(ECM)などの企業内のシステム連携、「Microsoft SharePoint Online」や「Googleドキュメント」といったパブリッククラウドとの連携なども可能だ。

 えらんでマイプリントは、PCからの印刷ジョブを複合機にいったん保存して、複合機のタッチパネル上で印刷設定を確認して、必要なジョブだけを印刷できるという機能になる。留め置き印刷を使うことで、印刷した紙の放置やミスプリントなどで発生するムダな印刷コストを削減できる。ムダな印刷コストを削減するために、カラーや片面、大量ページの印刷ジョブには警告画面を出して、エンドユーザーに問題がないか確認させるという機能も搭載されている。

 えらんでマイプリントはPCのログイン名でエンドユーザーを判別している。MEAP ADVANCEはICカードで認証することを基本にして、同様の仕組みを果たしていた。今回のえらんでマイプリントでは、ICカードを導入、管理するためのシステムがなくても、ムダな印刷コストの削減を実現できるという。

 サーバレス Anyplace Printは、プリントサーバがなくてもネットワークにつながっているオフィス内の複合機であれば、どこからでも印刷できるというシステム。ICカードで認証する。

図 サーバレス Anyplace Print for MEAP ADVANCEのシステムイメージ
※クリックすると拡大画像が見られます

 PCからの印刷ジョブは、複合機の中の印刷データを格納する「ストレージデバイス」に保存される。ネットワーク上につながれた複合機には、印刷データがどこにあるのか場所を管理する「ネームサービス」があり、ネームサービスがストレージデバイス情報を、ストレージデバイスから印刷データをそれぞれ取得して、タッチパネルに印刷ジョブを表示して、エンドユーザーは必要な印刷ジョブを選んで印刷するという仕組みになる。

 これまでも“どこでも印刷”は、MEAP ADVANCEを活用してimageRUNNER ADVANCEでも可能だったが、専用のプリントサーバが必要だった。同社の説明によると、印刷データを格納するための書誌情報サーバと仮想プリントサーバがそれぞれ冗長構成を取って、合計4台必要としていた。そのため、導入コストが957万円、運用コストが3年間で290万円もかかっていた。

 どこでも印刷を導入したかったが、コストや運用の観点から断念していた企業でも導入しやすい製品設計にしている。サーバレス Anyplace Printはオープン価格だが、市場想定価格は10万8000円。

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