マクニカネットワークスは1月24日、セキュリティアプライアンス「FireEye Email Malware Protection System(Email MPS)」の販売を開始した。税別価格は1099万円から。1月31日からの出荷を予定している。
Email MPSはメールに脅威が潜んでいないかどうかを検知するアプライアンス。独自技術「仮想実行エンジン(VxE)」を搭載している。
VxEは、実行ファイル(.exe)やダイレクトリンクライブラリ(.dll)に加えてOS上のアプリケーションで動くPDFやOfficeなどのコンテンツをアプライアンスの仮想環境の中で実際に実行して、挙動を解析して、マルウェアを検知する。未知の脆弱性を狙ったものかどうかも検知できるという。標的型攻撃メールなのかどうかをシグネチャに頼ることなくアプライアンスの内部で判定し、脅威のあるメールをオンサイトでリアルタイムに発見できるとしている。
脅威のあるメールを発見すると、警告を管理者に伝える。構成によっては受信した脅威のあるメールをブロックすることもできるという。脅威のあるメールをエンドユーザーの端末に配送しないことや管理者に通知することで、重要資産となるデータ流出に至る第一段階でリスクを回避できるとしている。
Email MPSは米FireEyeが開発している。FireEyeは独自のネットワーク「FireEye MAX Cloud Intelligence」を持っており、Email MPSをはじめとするアプライアンスで検知した感染のフィードバックをリアルタイムに共有している。このネットワークには「グローバルフィードバック」と「ローカルフィードバックシグネチャ」という機能がある。
グローバルフィードバックは、標的型攻撃メールに含まれるURLや最新の脅威を検知するためのロジックなどを共有する。ローカルフィードバックシグネチャは、VxEで検知した脅威の通信先を解析して、通信先の情報をシグネチャに反映する。ローカルとグローバルを併用してマルウェアによる通信も検知することで、未知のマルウェアにも対応できるという。
この1~2年で広まっている「持続的標的型攻撃」は、社会工学(ソーシャルエンジニアリング)の手法でメールに添付ファイルやURLを埋め込んでおり、エンドユーザーが開くことで端末を感染させ、その端末から情報を搾取するという仕組みを取っている。持続的標的型攻撃から企業を守るためにはこの“入り口”と“出口”で同時に対策することが肝要といわれている。
マクニカではウェブ経由で持続的標的型攻撃を防御する「FireEye Web Malware Protection System(Web MPS)」を取り扱っており、Web MPSとEmail MPSを連携させることで、入り口から出口までの一連の動きを解析できるという。出口で対策するためには、初期の脅威としての入り口対策が必須としている。