ベンダーとのやり取りで嫌な経験をしたことがあるという読者の方にとって、本記事で挙げている内容には頷けるものがあるはずだ。
ベンダー・・・それは、一緒にやっていくことなどできないものの、いないとやっていくこともできない存在と言える。また、ITマネージャーであれば、自らの部門とベンダーとの関係の根底に渦巻いている愛憎の情を肌で感じ取ってもいるはずだ。自らの仕事をこなすうえで、また自らの部門を円滑に機能させていくうえでも、ベンダーの提供する製品やサービス、サポートが必要となる。とは言うものの、なぜベンダーはいつも、人をイライラさせるような行動をとるのだろうか?
以下で挙げている項目のなかに、あなたも困っているというものがあれば、そういった思いをしているのはあなた1人ではないということが分かるだろう。ここで挙げている項目は、あなた自身が解決できる類のものではないとはいえ、ベンダーに本記事を渡して読んでもらうことで、何らかの変化を期待することはできるはずだ。以下では、ベンダーであればどのように行動すればよいかが考えられるよう、ヒントとなるような内容を書き添えている。
#1:製品について偽りの説明を行う
ベンダーたちは、製品について正直に語る気がないとしか思えない。できもしないことを約束し、奇跡としか言いようのないデモンストレーションを行ってみせる。しかしもちろんのことながら、実際の製品の出来はデモンストレーションとは大きく異なっているのである。
ベンダーはなぜ、後でばれると分かっているにもかかわらず、製品について偽りの説明をするのかと不思議に思われている方もいるだろう。残念なことに多くの場合、その答えは営業担当者の離職率の高さに潜んでいる。彼らは、とっとと他の分野や仕事、企業に転身を図るつもりでいるのである。あるいはさらに悪いことに、当初の約束を履行するのは技術サポート担当者やエンジニアの責任だと考えている者もいる。
ベンダーの言葉に頼らず、他から信頼できる情報を手に入れなければならない。仕事上の知り合いや、ユーザーグループのメンバーといった人々、その他の情報源から具体的な事例に基づいたアドバイスをもらう必要があるだろう。また、ベンダーの営業担当者と直接会って話をする機会があれば、あなたからの質問に答える際の彼らの仕草や表情を観察するようにしよう。さらに、相手の口ぶりから不安や躊躇を感じ取ろうとするのもよいだろう。間違いなく読み取れるよう、詳しい説明を強く求めるようにすべきだ。詰まるところ、あなた自身の仕事の成否がかかっているのだから。
#2:製品知識が不足している
ベンダーの製品について、彼らよりもあなたの方が知識で勝っているという状況など、あってはならないはずだ。そうだろう?あなたの知識の方が上だと分かっても、満足感や自信にはつながらないはずだ。あなたの質問に対して、製品カタログに記載されている内容をそのまま読み上げる担当者ではなく、それ以上の情報を返してくれる担当者の方が望ましいと思えるだろう。また、製品を実際に使用する際の制約について知っている担当者の方が安心できるはずだ。
#3:人の話に耳を傾けない
ベンダーに対して質問をした際、質問内容とは何の関係もない答えが返ってきて、むっとしたことはないだろうか?ベンダーの製品に備わっていなければならない重要な機能に関する質問を口にしたにもかかわらず、相手から何の答えも返ってこなかったとしたらどう感じるだろうか?もっともベンダーは、意図的にあなたの話に耳を傾けていないわけではなく、製品の販売に熱心になるあまり、あなたの質問や懸念が耳に入っていないだけなのかもしれない。とは言うものの、ベンダーがあなたの話に耳を傾けようとせず、そのことで我慢の限界に達したというのであれば、競合他社に目を向けるのもよいだろう。