ネットワン、コア256の高密度IAサーバ--“スモールコア”は有効か

田中好伸 (編集部) 2012年02月16日 10時39分

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 ネットワンシステムズは2月14日、低消費電力で高集積度のクアッドコアプロセッサ「Intel Xeon Processor E3-1260L」を64個搭載したIAサーバ「SM10000-XE」(開発は米SeaMicro)の販売を開始した。最小構成価格は1900万円から。

 SM10000-XEは、高さ10U(約44.5cm)のシャーシに、ハイパースレッディングに対応するXeon E3(2.4GHz)を64個、コア数にして256個を搭載。1つのシャーシに最大2Tバイトのメモリも搭載されている(CPU1コアあたり32Gバイト)。ストレージやスイッチ、負荷分散(ロードバランサ)、管理機能も集約して搭載されている。

写真1 SM10000-XEのシャーシ前面

 SM10000-XEと同等の性能を既存のハードウェアで組もうとすると、クアッドコアCPUでデュアルソケットのラックマウントサーバ(高さは1U)が32台、これにストレージとしてSATA/SSDが64個、ラックスイッチ4台、ターミナルサーバ4台、ロードバランサがつくことになり、最低でも2ラックを占める。SM10000-XEであれば10Uですむとともに、消費電力は3.5KWと既存システムの2分の1に、設置面積が3分の1、重さも4分の1ですむという。

 SeaMicroは2010年に、消費電力が低い、ネットブック向けプロセッサ「Atom」を512個搭載した「SM10000」を開発(日本国内はネットワンが提供)。以降SeaMicroとネットワンは、64ビットで2コアのAtomを256個搭載した「SM10000-64」、同じAtomを384個搭載した「SM10000-64HD」を提供してきている。

 2007年設立のSeaMicroは、サーバの高密度化を一貫して追求してきているが、その独自性はマザーボード上の部品をいかに少なくするかという技術に表れている。今回のSM10000-XEに搭載されている特定用途向けIC(ASIC)「Freedom Fabric ASIC」のI/O仮想化機能によって、プロセッサとメモリ、ASIC以外の部品を削減することで、マザーボードをコンパクトにして消費電力やコストを削減している。マザーボードの構成要素は90%削減できていると説明している。

写真2 SM10000-XEに搭載されるコンピュータカード
※クリックすると拡大画像が見られます

 Freedom Fabric ASICは「TIO(Turn It Off)」と呼ばれる機能も実装している。TIOは、使用していないプロセッサとチップセットの機能を止めることができるというものだ。ムダな消費電力を止めることで、マザーボードの消費電力自体を下げられるというメリットをもたらしている。

 Freedom Fabric ASICには「Freedom SuperCompute Fabric」という技術も実装されている。この技術は、マザーボード同士を高速に相互接続して、「多次元輪環」という構造を形成する。帯域幅は1.2Tbpsであり、1ソケットあたり10GbE、つまり1コアあたり2.5GbEの帯域となっている。この技術によって、ラックスイッチとロードバランサを削減できるという。

 Atomを搭載している、これまでのSM10000-64とSM10000-64HDは、突然のバーストが起きやすく、小さなワークロードが重なるウェブサーバに最適とされていた。今回のSM10000-XEは、Xeon E3を搭載することに表れているように、より重い処理が求められるアプリケーションサーバでも活用できることを想定している(SeaMicroでは、MySQLやMongoDBといったデータベースサーバでも活用できると主張している)。SM10000-XEは、x86アーキテクチャに対応していることから、既存のOSやアプリケーション、管理ツールに手を加えることなく、既存のシステムに導入できるというメリットも大きいと言える。

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