ネットワン、コア256の高密度IAサーバ--“スモールコア”は有効か - (page 2)

田中好伸 (編集部)

2012-02-16 10:39

 SM10000-XEは、これまでのSM10000ファミリーと同じように、プロセッサの稼働率と状態を常時把握、動的に負荷分散を調整することもできる。管理機能から、サーバ全体を最も効率的に稼働させるために、プロセッサの利用率を高めることもできる。また重要なアプリケーションへのリソース割り当てを確保するために、利用率に応じて動的にプロセッサを加えたり減らしたりすることもできる。

 こうした技術特性からネットワンでは、SM10000-XEの想定利用層としてデータセンター事業者やポータル事業者、パブリッククラウド事業者などを考えている。主な用途としては大規模なウェブアプリケーション、オンラインゲーム、ソフト開発の基盤、分散並列アプリケーション、仮想デスクトップ基盤(VDI)などを想定している。

 ネットワンではまた、SM10000-XE1台でVDIを構築できると説明している。1ソケットに15の仮想デスクトップが対応、SM10000-XE1台で最大960人分のVDIを提供できるといい、同社はこれを「VDI in a Box」と読んでいる。その実証としてグループ企業のVDIにSM10000-XEを導入する予定であることを明らかにしている。

写真3 SM10000-XEのシャーシ背面。ケーブリングの簡素さが分かるだろう

●注目される“スモールコア”サーバ

 サーバはこれまでタワー型からラックマウント型、そしてブレード型と、プロセッサの進化にあわせて高密度化の流れをたどってきたと表現できる。今回のSM10000-XEは高密度化の進化形とも言い表すこともできる。

 企業内のサーバは、かつて業務ごとにシステムを構築してきたためにサイロ化されてきたという経緯がある。その結論として、サーバが乱立し、運用管理コストが肥大化し続けるという大きなデメリットが目に見えるようになった。こうした課題を解決するものとして現在主流となっているのが、ハイパーバイザによるサーバの統合、集約という形態である。

 ハイパーバイザによる統合、集約はIT部門に大きなメリットをもたらしているが、信頼性や可用性などの点で、また使いやすさという点でも、いまだ不安を持たれているのも事実である。そうした視点から、Atomのような“スモールコア”搭載のサーバがこの1~2年で注目されるようになっている。

 スモールコアサーバは、仮想化技術を使わずに1台の物理サーバにある、数多くの計算リソースを有効活用できる。そうした安定性や低消費電力、コンパクトさなどから注目されるようになっているのである。日立製作所やデルはすでに製品を発表、Hewlett-Packardも開発しているといわれている。

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