日立システムズは2月27日、分散処理基盤サービス「App Bridge Executor」を4月から提供すると発表した。クラウドサービスやオンプレミスなどに分散したIT環境のシステム連携を実現するサービスとなる。
App Bridge Executorは、ジョブキュー型のプログラム実行基盤。プログラムの実行に必要な各種データ(入力ファイル、処理結果など)を、App Bridge Executorがインターネット(https)経由で転送する。同社ではVPN接続が必要でないため、遅延の影響を受けにくく、ユーザーはサーバの「場所」を意識することなく分散処理を実行できるとしている。
また、パブリッククラウドとの連携も特長のひとつ。オンプレミスで投入したジョブをMicrosoftのPaaS「Windows Azure」で実行したり、Windows Azureで投入したジョブをオンプレミスで実行したりといったシステム連携が可能だ。同社では、パブリッククラウドを活用した業務処理を容易に開発でき、パブリッククラウド、データセンター、オンプレミスなど、多様なIT環境を活用したシステムを低コストで構築、運用できるとしている。
同サービスでは専用のウェブ画面によるプログラムバージョン管理と実行管理が用意されるほか、専用の開発テンプレートとデバッグツールも提供される。価格は月額使用料が1万500円から。「Windows Server 2003」「Windows Server 2008」には4月に対応、Windows Azureには6月に対応予定。2015年度末までに100社への販売を目指す。
日立システムズでは、パブリッククラウドを含めた遠隔地のサーバをインターネット経由でリモート監視できるSaaS型の統合監視サービス「App Bridge Monitor」を2011年4月から提供、同年10月にWindows Azureの「SQL Azure」向け監視サービスを開始していた。