三井住友銀行はWindows Server 2008 R2とSystem Centerを活用することで約500拠点に800台以上存在していたサーバ群を2拠点約100台に集約、クライアントPC4万5000台の環境をWindows XPとOffice 2003からWindows 7とOffice 2010 Professional Plusに刷新していく。日本マイクロソフトが3月15日に発表した。
三井住友銀行はセキュリティの強化とともに、運用性や可用性の向上を狙っている。同行は、約500拠点に800台以上のサーバを設置し、ファイル共有やドメイン管理を拠点ごとに展開していた。サーバの運用に大きな負荷がかかっているが、特にテープによるデータバックアップは、各拠点に負荷がかかっていたという。
国内だけで4万5000台ものクライアントPCの運用管理も負荷になっていたという。クライアントPCの資産管理やパッチ配布なども拠点ごとに展開していた。情報漏洩を防止する仕組みは導入されていたが、セキュリティを徹底するには、データセンターに集約することが求められていた。
同行はこうした課題を解決するためにサーバをWindows Server 2008 R2に移行してセンターに集約、運用管理基盤としてSystem Centerを導入することを選択している。クライアントPCをWindows 7とOffice 2010に移行する取り組みも進めている。これでPC網を全面的に刷新して、従来以上にセキュアで運用性の高い基盤を確立できるという。
PC網刷新では、サーバ運用コストの削減、WAN越えでの反応速度の確保、既存システムやアプリケーションの継続利用というポイントを重視した。サーバをセンターに集約すると、クライアントPCとサーバのやり取りはWAN経由になるが、反応速度の悪化を回避する必要がある。
同行の場合、ファイル共有プロトコル「Server Message Block(SMB)2.0」とWindows 7を組み合わせることで、ファイルとデータの転送効率を向上させられるとして、採用を決定している。
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サーバ側でのシステム構築が完了したのが2011年9月。800台以上のハードウェアを100台に集約している。2つのセンターに分散して設置されており、各センター内ではほぼすべてのサーバがクラスタ化されている。
相互にバックアップ運用が展開できるようになっており、事業継続計画(BCP)対応も実現しているという。バックアップ運用に対応するための機材を含めた現在のサーバ総数は約400台。一方のセンターがダウンした場合でも、すぐに切り替えられるようになっている。
2011年10月から、クライアントPCの刷新が始まっており、営業店への展開を優先的に進めている。2011年末までに100拠点以上で刷新が完了。クライアントPCの刷新は2013年までに完了する予定としている。