日産自動車は、データベース機器「Oracle Exadata」などを利用して、複雑化したシステムを統合した共通基盤の構築に着手している。システムを提供した日本オラクルが4月3日に明らかにした。2016年度末までに売上高営業利益率と世界シェアをともに8%に押し上げることを目標に、2005年度と2011年度に打ち出した新たなIT戦略に沿って実施している。
システム環境の標準化を図ることが、共通基盤への統合の目的。ルノーと日産の提携では、情報システムについて、業務に直結させるアプリケーションの「IS」、OSやデータベース、ハードウェアなどインフラ部分の「IT」という2層でとらえている。共通基盤構想では、IT層のアーキテクチャを標準化し、複雑化したシステムの集約を目指す。システム基盤のライフサイクルを考慮し、数年間隔で定期的に検討と導入を進める考えだという。
2007年に稼働した第1世代のシステム基盤では「Oracle Database 11g」と「Oracle Real Application Clusters」を用いることで、データベースを統合した。第2世代の基盤は、2009年に高負荷処理およびデータウェアハウス向けデータベース共通基盤として、Exadataの採用を決め、2010年12月よりプライベートクラウド環境として稼働を開始した。現在、Exadataを導入した共通基盤では、大量データを扱う複数のシステムが稼動している。
日本オラクルによると、Oracle Exadataを活用することで従来のシステムに比べ部品表の仕様提示一覧の処理が約7分30秒から3秒弱に短縮した。大量データの関連付け処理は44時間35分から1時間4分に改善したとしている。