日本オラクルは5月10日、経営管理アプリケーション群の最新版「Oracle Enterprise Performance Management(EPM) System R11.1.2.2」を同日から提供すると発表した。
EPM Systemは、企業の事業戦略策定、目標設定、財務と業務の計画や決算業務と報告書作成を支援する機能を包括的に提供するアプリケーション製品群。最新版は自社のデータ分析機「Oracle Exalytics In-Memory Machine」に対応。事業計画や予測における性能と精度の向上を実現し、大規模なデータの集計、分析やレポート作成にかかる時間を短縮できる。
また、プロジェクトの予算計画を支援する「Project Financial Planning」と財務データの整合性をチェックする「Account Reconciliation Manager」などの新機能を搭載。財務データの収集や連結決算処理における機能も強化され、複雑化する企業のグローバル経営をより簡便に実現できるという。
EPM Systemの主な新機能と強化点は次の通り。
新機能の「Project Financial Planning」は、企業がプロジェクトに基づく予算編成、資金調達、承認、証跡管理を実行できるようにするもの。ERPのプロジェクト機能およびプロジェクト管理アプリケーションにより構築された既存システムと連携し、主要プロジェクトやプロジェクト構成の財務実績の可視化と改善に役立てられる。
「Account Reconciliation Manager」は、グループ企業において、連結決算の対象となる各拠点から収集された財務情報の整合性をチェックする機能。決算に必要な作業を合理化し、監査リスクと関わるコストを削減できる。
以前からあった財務報告書作成の支援機能については強化を図った。連結管理アプリケーション「Oracle Hyperion Financial Management」が、次元数の上限解除などの次元設定機能を拡張し、より柔軟で詳細なレポート作成を可能にした。
また、事業予測の精度が向上した。表を使った予測モデリングと作成、シミュレーションや最適化を行うアプリケーション「Oracle Crystal Ball」の統計的予測技術に基づいた回帰分析を行う新機能を追加。予測精度が向上した。
自社ERP製品とのデータ連携も強化した。財務情報の統合を行う機能「Oracle Hyperion Data Relationship Management」とERP製品「Oracle E-Business Suite R12.1」のデータソースとの連携が可能になった。これにより、勘定科目やその他の財務マスターデータを容易に統合できるとしている。