チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは6月4日、調査レポート「The Impact of Cybercrime on Businesses」(英語、PDF)を発表した。標的型攻撃を受けた企業の65%は「攻撃の目的は金銭的利益を狙った」ものだという。
次いで「業務妨害(45%)」「顧客データの入手(45%)」が続く。政治的、思想的な動機に基づくと思われる攻撃の割合は5%という結果になっている。
過去2年間で受けた特に深刻な攻撃としてあげられているのはSQLインジェクション。持続的標的型攻撃(APT攻撃)で35%、ボット感染で33%、サービス妨害(DoS)攻撃で32%を経験していることも明らかになっている。
概算で標的型攻撃が成功した場合の被害額は1件あたり平均21万4000ドルという。概算額で最も高額だったのはドイツの企業で、1件あたり平均30万ドル、最も低かったのはブラジルの企業で1件あたり10万ドルとなっている。概算額にはフォレンジック調査、対策技術の導入、社会的信用の回復にかかる費用が含まれる。
最もリスクの高い従業員の行動としてすべての地域で、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末の利用が1位となっている。続いて、ソーシャルネットワークの利用、USBメモリなどのリムーバブルメディアの利用が挙げられている。
回答企業の大多数がファイアウォールや侵入防御など基本的なセキュリティ対策を導入しているが、ボットネット対策やAPT攻撃対策などへの対応策を導入しているのは半数に満たない。独と米に限定すると、過半数がボットネット対策やアプリケーション制御、脅威情報システムなど特定のサイバーリスクに特化した対応技術を導入し始めていると説明する。