サイボウズが提供するPaaS「kintone」が意外な広がりを見せている。kintoneは2011年11月から提供されているが、導入している部門の7割が情報システム部門以外という調査結果が出ている。
同社はkintoneを導入した200人を対象にした活用状況を調査した。そのうち28%が情報システム部門だが、72%が情報システム部門以外だ。内訳を見ると、営業部が20%、企業経営者が18%となっており、サポート部門、総務人事部門が続いている。
サイボウズ製品は情報システム部門が9割強を占めていたが、kintoneについては、情報システム部門を介さずに現場部門での導入が進んでいることが明らかになったと同社は説明する。導入の決め手は「すぐに利用できる」44%、「価格」と「簡単に作れる」が20%という結果だ。
kintoneの導入目的や利用用途をみると、「案件管理/顧客管理」が3割を占めている。ほかには「店頭に並ぶ食品表示の管理」「小口現金集計表」「撮影管理」「事故報告書」など、導入した業務部門独自のデータベースとして活用されていると説明。このことからサイボウズでは「kintoneが業務そのものを一番よく知っている現場担当者のニーズに応じて柔軟に使われている」とコメントしている。
kintone導入以前にデータを管理するツールとして表計算ソフトやメール、紙が使われており、その割合は7割という。移行の理由としては「ファイル集計に時間がかかる」「共有が難しい」「データをグラフなどで視認したい」といった意見がある。
こうした結果からサイボウズでは、「多くの現場では、紙や表計算ソフトが今なお広く利用されており、ユーザーがこれらのツールを使った情報の共有や活用に苦労していることがうかがえる」と説明。続けて「クラウドによる導入の容易さに加え、簡易にシステム化するツールの提供が、広い領域の現場の業務効率化につながることも予測される結果」と分析している。