PaaS「kintone」で案件管理システム構築--開発から運用まで1週間

田中好伸 (編集部)

2012-03-28 15:23

 熱交換器やバルブなどを製造販売する日阪製作所(大阪市)は、PaaS「kintone」で案件管理アプリケーションを開発し、上海のグループ会社が現地でブラッシュアップしてシステム化、メンテナンス工数を削減している。サイボウズが3月28日に発表した。

 東証一部と大証一部に上場する日阪製作所は、海水を使った冷却システムの大型プレート式熱交換器で世界シェア約50%を占めており、世界120カ国に展開している。

 上海拠点の日阪(上海)は、本社の製品を販売する販売拠点。同拠点は、日本からの出向と現地採用者で構成されており、IT専任のスタッフがいない。案件管理などの社内の情報共有には、Excelを中心にしたローカルファイルの受け渡しを基本にしていた。ファイルベースで管理することで肥大化していくメンテナンスコストに課題を感じた日阪(上海)の責任者は、本社の情報システム課に相談している。

 日阪製作所では、案件管理アプリケーションの構築では、プロトタイプの構築を情報システム課でバックアップし、カットオーバー後の基本的運用とメンテナンスは現地スタッフに任せることを条件にした。こうした条件から、情報システム課の担当者が日本国内に居ながら構築でき、上海で試験を実施できる点からkintoneを選択している。

 案件管理アプリケーションの構築は、見積もりから受注、売り上げ、回収までの一連のサイクルを管理できるように設計し、ほかの業務と同時進行しながら3日間で完成させたという。上海拠点の従業員による試験も2日間で終了し、運用開始までの期間は1週間としている。

 ソフトウェアの操作に慣れない現地採用スタッフにとっても、表計算ソフトで起こりがちだった入力セルの確認作業などのオペレーションストレスから解放されたという。誤ってマクロを壊したり、複雑化したファイルのメンテナンスが本社情報システム課に戻されたりと言った課題も回避できたとしている。

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