シマンテックは8月13日、Android端末向けセキュリティソフトウェア「Symantec Mobile Security(SMS)7.2」の販売を開始した。モバイル端末管理(MDM)ソフトウェア「Symantec Mobile Management(SMM)」をAndroid向けに機能拡張した。SMSの初年度ライセンスと保守価格は3700円(次年度以降保守600円)、SMMの初年度ライセンスと保守価格は5700円(同900円)。
スマートフォンをはじめとするモバイル端末の普及が拡大しているが、シマンテックによると、モバイル端末を標的とするマルウェアのファミリー数が急増しており、脆弱性も増加しているという。また、“ポリモーフィック型”と呼ばれるAndroidアプリやワンクリック詐欺、個人情報を盗み出す日本語アプリが登場するなど巧妙化も進んでいる。
その一方で、モバイル端末の業務利用も進んでいる。企業では、モバイル端末の活用はメールやコンテンツの共有などで業務効率や運用性を向上できるとしている。その反面で、盗難や紛失、ウイルス感染、脆弱性、運用管理のコスト増などを懸念点に挙げている。こうした事態を受けて、国内の企業向けモバイルセキュリティ市場は今後5年間で3倍になるとみられている(IDC Japan調べ)。
新しく発売されるSMS 7.2では、マルウェア対策やウェブプロテクション、盗難・紛失対策などの機能を搭載するが、管理機能が大幅に強化された。従業員の持つモバイル端末の分析、レポーティングをウェブコンソールから容易に確認できるほか、さまざまなイベントにあわせた自動化矯正ワークフローを作成できる「Symantec Workflow」も標準提供される。従業員個人にゆだねることなく、強制的にアップデートやセキュリティポリシーを適用できるとそのメリットを強調している。
また、MDMとの連携機能も搭載。SMMと連携して包括的なモバイルセキュリティ環境を構築できる。同社の「Altiris Client Management Suite」とも連携するため、共通のコンソールからモバイル、Windows、Mac、Linux、仮想環境にあるPCなどのセキュリティも一元管理が可能となる。セキュリティ機能のない他社製MDMを保管する形で活用することも可能という。
シマンテックでは、今後のモバイル戦略として「Symantec Mobility Solutionコンセプト」を明らかにしている。これは、セキュリティを維持した上でモバイル端末を効果的に活用するために、端末だけでなくアプリやデータといった情報、そして利用者の管理機能も提供し、生産性向上を目標とするものだ。今後、アプリを管理するための“Mobile Application Management(MAM)”、データを管理するための“Mobile Information Management(MIM)”といったソフトウェアを提供する予定だ。