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VMworld 2012:ヴイエムウェア次期CEO パット・ゲルシンガー氏インタビュー

冨田秀継 (編集部) 2012年08月30日 11時09分

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ヴイエムウェア次期CEOのパット・ゲルシンガー氏

 VMwareが米サンフランシスコで開催中の年次カンファレンス「VMworld 2012」の会場で、8月29日(米国時間)、9月にCEOに就任するPat Gelsinger氏がAPJ(アジア太平洋地域および日本)の報道陣のインタビューに応じた。

 Gelsinger氏は「現CEOのPaul Maritz氏の4年間をどう評価しているか。この4年でVMwareはハイパーバイザのみを提供するベンダーから、データセンター全体を抽象化、仮想化するベンダーへと成長した」というZDNet Japanの質問に、「PaulはVMwareのCEOとして“A+”だった」と格付けした。

 「Paulは非常に素晴らしい業績を残している。彼がCEOに就任して、VMwareは(創業CEOの次の世代にあたる)第2世代のリーダーの体制へと移行した。巷ではよく創業者の次のCEOで事業が失敗する例を見るが、Paulは上手く乗り切った。売上を10億ドルから50億ドルへと成長させたのも、彼の残した成果となる」とGelsinger氏。

 また、この4年の事業面での変化については、「ハイパーバイザを提供する会社だったのが、インフラストラクチャからエンドユーザーの領域にまで事業を拡大させ、ビジョンを大きく広げたことも功績の一つ。彼は常に業界と市場の期待を上回ったのだ。ファイナンス面でも(投資家などの)予想を幾四半期も連続で上回っている。事業面と財務面の両方で功績を残している」と振り返る。

 一方、Maritz氏を手放しで称えたことを受け、「彼がA+なので、私にとっては非常にハードルが高くなったな」と笑ってもみせた。

エンドユーザー向け製品の売上増を見込む

 Gelsinger氏がCEOに着任するのは9月1日。現在はまだ親会社のEMCで情報インフラストラクチャ製品部門のプレジデント 兼 COO(最高執行責任者)の任に就いている。そのため、今後の事業の展望、VMwareの理想的なあり方などについては、踏み込んだ発言をしない(あるいは、できない)でいた。

 しかし、一点だけ今後のヒントになりそうな発言があった。

 VMwareの売上は、サーバ仮想化の分野に多くを負っている。それが、2011年のVMworldでは仮想デスクトップインフラ(VDI)の最新版「VMware View」を、2012年にはViewの限界を補完する「Mirage」の投入を発表。エンドユーザー向けの取り組みを2年連続で示した。

報道陣の質問に答えるパット・ゲルシンガー次期CEO
報道陣の質問に答えるパット・ゲルシンガー次期CEO

 この点について、今後売上の構成がどう変わっていくかと問われたGelsinger氏は「ポストPC時代を考慮すると、アプリケーションとユーザーデータも含め、すべてを仮想化していく必要がある。VMwareの売上は(「ソフトウェアで定義されたデータセンター」戦略などから)データセンター全体の仮想化が主となるが、今後はエンドユーザーコンピューティング(EUC)からの売上が増えると見ている」と発言した。

 VMwareのEUC戦略にとって、日本は最も重要な市場であり、その最前線とさえいえる。大手金融機関がVMware Viewを導入するなど、売上だけでなく導入規模や活用という点で他国に抜きん出た存在だからだ。

 一方、ポストPC時代では、業務利用という観点から見ても、デスクトップPCやラップトップではなくスマートフォンやタブレットが中心的なデバイスになると見られている。しかし、この領域においては、日本はアジア太平洋地域の国に比べて足踏みをしている状況にあるといえよう。

 日本法人のヴイエムウェアが3月22日に発表した調査結果によると、日本企業の71%が会社支給のノートPCの社外持ち出しを禁じられ、個人所有の端末から社内データベースにアクセスしたことがないという回答は83%にのぼった。ZDNet Japanでは当時、「企業はデータ漏洩やセキュリティを懸念し、外部からのアクセスやIT機器持ち出しを厳しく制限している」と伝えている

 VMwareでAPJを担当するゼネラルマネージャーのAndrew Dutton氏は、「日本では今、ITの再構築が始まっている」と述べる。この発言の背景には、東日本大震災によって、データセンターに対する考え方、バックアップへの視点が変化してきたことを示したものだ。

 しかし、災害対策という点においても、エンドユーザーのコンピューティング環境をより効率的に、より柔軟に使えるものに変えていく必要がある(VMwareの製品を使うかどうかはさておき)。

 先に「日本はEUCの最前線」という表現を用いた。この言葉は、EUC関連製品の導入と活用が進んでいるという意味だが、さらにもう一歩進め、成熟した日本のIT市場に新たなチャンスがあるという意味も含めている。

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