Adobe Systemsは米国時間9月24日、ウェブのデザインやアプリケーション開発を支援する新しいツールとサービス群「Adobe Edge Tools & Services」を発表した。ここでは、この新しいブランドの発表の場となったテクニカルイベント「Create the Web」のキーノートセッションの様子をレポートする。同社のウェブ開発の新戦略については別記事「アドビがWeb開発の新戦略を明らかに」を参照してほしい。
Create the Webは、米サンフランシスコでデザイナーと開発者を対象として開催されたイベント。世界5カ国を巡るツアーイベントの第1回にあたり、日本では10月9日に開催される。会場は東京のゲートシティ大崎で、サンフランシスコでモデレーターを務めた同社ディレクターのMike Chambers氏、キーノートでデモを担当したワールドワイドウェブエバンジェリストのPaul Trani氏らも来日する予定となっている。
正式版リリース「Adobe Edge Animate」
Adobeでは、これまでもHTML5やCSS3、JavaScriptなどといった技術にフォーカスした各種ツールを提供してきた。記憶に新しいのは、アニメーション作成ツールの「Adobe Edge Animate(旧称Adobe Edge)」や、HTMLやCSS、JavaScript向けコードエディタ「Brackets」などだ。Edge Tools & Servicesは、それらのツールも含む、デザインと開発のためのツールとサービスの新しいブランドという位置付けになる。
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Edge Tools & Servicesで提供されるツールとして最初に紹介されたのが、前述のEdge Animateだ。これは従来「Adobe Edge」の名称でプレビュー公開されていたツールであり、HTML5、CSS3、JavaScriptを利用したリッチなアニメーションをAdobe After Effectsに似たタイムラインベースのUIで作成できる。
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Edge Tools & Servicesに含まれるのは、その待望の正式版であるEdge Animate 1.0。製品価格はパッケージ版で499ドル、サブスクリプション版で月14.99ドルだが、Creative Cloudの有料メンバーは追加料金なしで使用できる。1.0に限っては無料メンバーシップ登録をすることで、無償でフル機能を利用できると発表された。
レスポンシブなサイトの構築をサポートする「Adobe Edge Reflow」
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ウェブページのレイアウトに関する最近の動向としては、「レスポンシブウェブデザイン」の重要性がしきりに叫ばれている。さまざまなデバイスがウェブにアクセスする機能を有しており、大抵の場合そのスクリーンは大きさ、解像度、向きなどがそれぞれで大きく異なる。そのような状況に対して、画面の大きさに応じてレイアウトを自動で調節するレスポンシブデザインが注目されているというわけである。