Hitachi Unified Compute Platform
日立製作所は10月22日、統合プラットフォーム製品「Hitachi Unified Compute Platform(UCP)」を発表した。ソフトウェアとハードウェアを事前に検証して組み合わせて提供。統合管理に重点を置いた新製品となる。
今回発表されたのは、IaaS基盤モデルの「UCP Pro for VMware vSphere」と、PaaS基盤モデルの「UCP with OpenMiddleware」の2つのモデル。いずれのモデルもサーバ、ストレージ、ネットワークと、運用管理機能を緊密に統合させている。
新製品の最大の特徴は「統合プラットフォームオーケストレーション機能」と言えそうだ。この機能では、仮想化環境の統合管理ソフト「VMware vCenter」の管理画面にUCPのタブを設け、ここを通じて仮想化されたサーバやストレージのリソースを管理できる機能を提供する。IaaSモデルであるUCP Pro for VMware vSphereでは標準で提供するが、PaaSモデルのUCP with OpenMiddlewareには2013年度の機能拡張で対応する予定。
そのUCP with OpenMiddlewareには運用管理ソフトの「JP1」やクラウドサービス基盤の「Cosminexus」を組み合わせて提供する。日立は10月15日に最新版の「JP1 Version 10」を発表したばかり。最新版は「誰にでもできるやさしい運用管理」をコンセプトにしており、スキルや習熟度にかかわらず、運用管理の「自動化」を推進している点が特徴だった。今回、UCP with OpenMiddlewareにJP1の最新版を組み込んで運用管理のさらなる自動化と自律化を図る。
もう一つの特徴は環境構築のためのテンプレートの提供。実際に顧客サイトで稼働しているハードウェアとソフトウェアの構成情報をテンプレート化することで、迅速で容易な環境構築を支援するとしている。
存在感を増す米国子会社 日立データシステムズ
佐久間嘉一郎氏
同社では、ITプラットフォーム事業本部の事業ビジョンを「One Platform for All Data」と定め、「グローバル事業強化」「高信頼クラウド事業を支えるソフト・サービス強化」「インフォメーションクラウドによるビッグデータ事業推進」の3つの戦略を柱に据えて事業を展開している。
特にグローバル事業の強化では、同社の子会社の米Hitachi Data Systemsとの連携を強化しているところだ。
日立製作所 執行役常務 情報・通信システム社 プラットフォーム部門CEOの佐久間嘉一郎氏は会見で、同社がHitachi Data Systemsとの事業開発に注力していることを示し、今回発表した新製品もその成果の一つであると説明した。
また、佐久間氏は新製品について「Hitachi Data Systemsが展開している100カ国以上の国と地域でグローバルに製品を提供する」ともコメント。Hitachi UCPがグローバルで販売されることも明かした。
橋本崇弘氏
同社 情報・通信システム社 ITプラットフォーム事業本部 事業統括本部長の橋本崇弘氏は、サーバ管理運用コストが新規サーバ投資をはるかに上回っている調査結果を示しながら、ITにはより迅速な導入、より柔軟で容易な運用管理、そして変化への即応性が求められていると説明。
その上で、新製品のコンセプトが「お客様のIT投資が攻めの投資になるよう、ご支援できるプラットフォームを目指した」とコメントした。
価格は、IaaSモデルのUCP Pro for VMware vSphereが個別見積もり、PaaSモデルのUCP with OpenMiddlewareが3371万6235円から。なお、サポートサービス費用などが別途必要になる。10月23日から販売を開始し、12月25日に出荷する。
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