インフォマティカ・ジャパンは10月31日、データ統合・管理プラットフォーム製品「Informatica Platform」の最新版「Informatica 9.5」を発表した。
Informatica 9.5は「PowerCenter」「PowerExchange」「Data Replication」「Data Quality」「Data Services」「Data Explorer」「B2B Data Exchange」「Informatica MDM」「Application ILM」といった、マスターデータ管理ソフトウェアやデータのライフサイクル管理ソフトウェアなどで構成されるスイート製品だ。
データ分析、データ品質管理などの機能を強化しており、企業のビッグデータ活用を支援する。日本での出荷は2012年末頃を予定している。
インフォマティカ・ジャパン社長の吉田浩生氏は「データの統一性確保や管理が、企業にとって大きな課題となっている」と指摘したうえで「ビッグデータ、スマートデバイス、クラウド、この3つのトレンドは大きなうねりになっており、これらにうまく対応できなければ、生き残れないのでは」と話す。
インフォマティカ・ジャパン社長の吉田浩生氏
Informatica 9.5はこのような課題への対処策として位置付けられており、大容量のトランザクションデータ、ソーシャルメディアコンテンツ、センサー、デバイス情報などを取り込むことができる。
Informatica 9.5では「Data Explorer」に、Enterprise Discoveryと呼ばれる機能を新たに追加。企業内にある任意のデータ群に対し、自動的にプロファイリングや分析を実行してデータの詳細や傾向を把握するとともに、データの相互間の関連性などを認識するデータ分析機能だ。
同社では、機密データを検出しリスクを軽減できるほか、データ検出作業の幅を広げ、データのプロファイリングプロセスを簡素化することにより分析に要する時間を大幅に短縮できることなどが利点だとしている。
「Data Quality」のData Stewardshipも新機能の1つとして、データの品質管理を担う。データ品質管理のための包括的な作業ワークフローを提供しており、社内各所に品質管理作業を効率的に割り当て、データガバナンスを確立しデータの所有者と責任を明確化。問題のあるデータを抽出して対処するために必要なステップを自動化し、人手の介入を削減できるとしている。
今回「Data Explorer」では自然言語処理に対応、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアに書き込まれる発言に対して、データ要素を推定し、非構造化テキストから確率的解析によって検出、抽出できる。例えば、商品やサービスに対しコメントが好意的なのか否定的なのかの判断などに利用できるという。ただし、日本語への対応は「順次進めていく」(吉田社長)段階だ。
米Informaticaのビジネス開発担当バイスプレジデント、Mike Pickett氏
米Informaticaのビジネス開発担当バイスプレジデント、Mike Pickett氏は「ビジネスの多様な課題に対し、企業はオペレーションの効率化を図りERPやSFAの導入などを進めてきたが、それぞれのアプリケーションはサイロ化し、データは分断され、共有もままならず、データは特定の要求にだけ縛り付けられている。データを戦略的資産にしていくにはデータ統合が必要になる」と語った。
吉田氏は「日本市場では大量なデータを扱っていて、さらにデータ管理を強化できる余地が大きいのは、金融サービス、製薬、製造、通信といった業種」だと指摘。今後、マスターデータ管理、情報ライフサイクル管理、クラウドデータ統合の3つに注力していく方針を明らかにした。