即応力が強く求められる時代にBPMが役立つ--米ペガシステムズ創業CEO

怒賀新也 (編集部) 2012年11月05日 18時00分

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 シャープやソニーなどの日本企業が液晶テレビの市場を席巻し、絶頂期のように見えていた時期に、裏ではSamsungなどの韓国企業が着々と逆転のシナリオを描いていた。結果として日本メーカーは世界の液晶テレビ市場で盟主の座を韓国に奪われてしまった。2006年にシャープが第二工場で液晶テレビの生産を本格化し、「亀山モデル」のブランド力への高い評価を欲しいままにしていたことも記憶に新しいが、結果として状況は一変した。

 ただ、ここに来て、形勢に変化の兆しがあるとの声も聞こえてる。例えば、ソニーは液晶テレビの商品開発でインド市場を綿密に研究し、空を表現する青色をはじめ、インド人に合わせた色合いを実現し商品化した。ここ2年ほど、ソニーの液晶テレビ事業はインド市場で首位に立つなどの好調ぶりを見せる。

米Pegasystemsのトレフラー創業CEOと日本法人の田上社長
米Pegaのトレフラー創業CEO(右)と日本法人の田上社長

 このように液晶テレビ市場を一例として見ても、情報のデジタル化を背景にビジネスのスピードが以前よりも遥かに上がっていることが分かる。業種を問わず、ビジネスを支えるITにも変化への柔軟性が求められる。この動きに対応するITの1つとして挙げられるのが、BPM(ビジネスプロセス管理)ソフトウェアである。

 保険業界における請求支払い処理の仕組みでは、過払いおよび未払いの保険金の管理と処理、法改正を受けた調整、大災害発生時の対応など、様々な変化にITを柔軟に対応させる必要がある。

 こうした要件を満たすための情報システムをスクラッチで開発する場合、すばやく対応するのがかなり難しい。テストに手間がかかる上に、アプリケーション間の連携プログラムなどを組むとシステム全体としての一貫性、整合性が崩れていく傾向があるからだ。システムとしての一貫性を担保した上で、さまざまな業務の基盤を構築するソフトウェアとして、BPMが注目を集めることになる。

 日本での知名度は高くないが、このBPMの分野で米国で成功し、IT調査機関であるGartnerからも高い評価を受けているのが、米Pegasystemsだ。同社が提供するBPMの役割について、来日した創業者でCEOのアラン・トレフラー氏に事例を交えて聞いた。また日本での展開を、日本法人の田上一巳社長を交えて聞いた。

AMEXの1万6000人のコールセンター担当者が利用

 Gartnerなどが評価しているのが、Pegaのビジネスプロセスエンジンとルールエンジンを統合したソフトウェア製品。米国では、American Expressが採用している。クレジットカードに関する顧客からの問い合わせに対応するカスタマーセンターの1万6000人がPegaのシステムを利用している。請求額の間違いなどがあった場合の対応や住所変更などさまざまな処理を実施している。FordやGeneral Motorsなどの自動車メーカーも利用しているという。

 BPMソフトウェアとしての特徴は、ITの担当者ではなく、ビジネスユーザーが自ら設定し、業務プロセスを制御できること。ビジネスが分かっている担当者がITを変更できるため、ビジネスへの即応力の向上につながる。

 またシステム変更する場合も「ソフトウェア開発ツールが豊富にそろっているため、すばやくかつ正確に対応できる」(トレフラー氏)としている。

 日本では、現在20人規模の体制で、主にシティバンク銀行やAIGグループなど米国の特に金融系企業の日本法人向けにサービス提供している。トレフラー氏は「日本といえば製造業の国。今後は、いわゆる日本企業にわれわれの製品を使ってもらい、業務効率化に役立ててほしい」と話している。

 日本法人の社長を務める田上氏は、これまでCognos(現IBM)、SeeBeyond(Sun Microsystemsに吸収され、Sunはその後Oracleに買収された)、Progress Softwareなど、エンタープライズ系外資ソフトウェアベンダーの社長を務めた経緯を持つ。

 田上氏は「Pegasystemsはとにかく、人材教育に惜しみなくコストをかける会社。バイリンガルは珍しくないが、バイカルチャー(文化面でも海外の感覚を持っていること)を持つ人はなかなかいない。今後もそういった人材を積極的に獲得し、日本市場でのビジネスを拡大したい」と話した。

 日本で実際に顧客に導入する際は、Pegaのほかパートナー企業が参画している。アクセンチュア、日本IBMなどの外資系企業に加え、日立製作所、野村総合研究所、NTTデータなどの日系企業の名前も挙がった。

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