ラスベガス発--Amazonの最高経営責任者(CEO)であるJeff Bezos氏は米国時間11月29日、「Amazon Web Services(AWS)」を、トヨタ自動車のリーン生産方式から、もう少し身近なもの、つまり「Kindle Fire」のビジネスモデルまで、あらゆるものになぞらえた。
Bezos氏は当地で開催されたAWS re:Inventカンファレンスで、Amazonの最高技術責任者(CTO)であるWerner Vogels氏とともに登壇した。そして、小売が利幅の小さい事業であることを認め、AWSでその戦略を堅持していると主張した。同氏は「高い利幅には数多くの罪深さが含まれる。われわれは利幅の大きい事業を行う方法を知ろうとは思わない。小さい利幅を維持することで、顧客の歩みに合わせることができる」と述べた。
その結果として、AWSはAmazon自身のKindle Fireタブレットコンピュータのビジネスモデルに非常によく似たものになっている、とBezos氏は話した。「人々がAmazonのデバイスを使うときに、われわれは利益を得ることができる。AWSは従量課金制の事業だという点で、それに非常によく似ている。Amazonの利益が顧客に沿うように物事を進めることができれば、長期的には良い結果になるだろう、というのがこの件に関するわれわれの見解だ」(同氏)
AWSはトヨタ自動車のリーン生産方式にも似ている、とBezos氏は述べた。それはなぜか。AWSとリーン生産方式はいずれも、源流に近いところで不具合を除去することを目指している。
このように、リーン生産方式というアプローチをITに対して取ることは(もちろん、AWSを素材と考えて)、アプリケーション開発者とデータセンターコストの関連性がより強くなることを意味する。Bezos氏は、「データセンターは開発者にとって、アプリケーションの存在しない区域だった。コードを記述しても、それがどれだけのコストを消費するのかは全く把握できない。何が実際にコストを発生させているのかを開発者が実感できることは、AWSでは最も真価を認められていない利点の1つだ」と話した。
Bezos氏はほかにも次のようなことを話した。
これからの10年間で何が変わるのだろうか。「もっと重要なのは、『これからの10年間で何が変わらないのだろうか』という質問だ。事業に関する優れたアイデアは、非常に明白なものであることが多い。しかし、明白なアイデアをしっかりと持ち続けるのは難しい」(Bezos氏)
革新。Bezos氏は、「革新は1つの考え方である。冒険的な企業になることは万人向けではない」と述べた。同氏はまた、競争に集中するメンタリティを持ち、ライバルを打ち負かすことを念頭に置いて計画を立てる企業もある、と付け加えた。Amazonの目標は、革新や発明を行いたい人々を招き入れることだ、と同氏は述べた。