データがハードにひもづかない時代、DWHが目指すべきは「オープン」なアプローチ

五味明子

2013-01-25 14:46


 書籍が紙から離れ、音楽がCDから離れ、映像がTVやDVDから離れる。

 ありとあらゆるコンテンツが専用の容れ物から切り離されて存在することが可能になった現在、データウェアハウジング(DWH)という、専用のアプライアンスやメインフレームで処理されることがほとんどだったソリューションの世界に大きな異変が起こっている。

Chris Selland氏
Chris Selland氏

 決まった場所に、決まったカタチのデータを、決まった時間に処理するという従来のスタイルでは、データ量の多さやその多様性に対応しきれず、ビジネスの現場で求められるスピードにも追いつかなくなってきているのだ。

 コンシューマーの世界の変化に引きずられるかのように、エンタープライズITが大きく変わろうとしているなかで、データを収集し、分析して、経営に貢献するという役割を担ったDWHはどうあるべきなのか。

 米ヒューレット・パッカードでマーケティング部門のバイスプレジデントを務めるChris Selland氏に、HPのDWHソフトウェア「HP Vertica」を中心に話を聞いた。

米大統領選にも使われたVertica

 HPは2011年3月にリアルタイムアナリティクスを得意とするVerticaを買収、2012年にはワールドワイドで事業を統合し、現在はHPブランドのDWH向けRDBMSとして展開している。日本市場では、日本ヒューレット・パッカードのソフトウェア事業統括が販売している。

 HP Verticaの最大の特徴は、IBM NetezzaやTeradataといった競合他社のDWH製品と異なり、ソフトウェア単独で販売されている点だ。これはDWH=アプライアンスというイメージが強い業界にあって、かなり目を引くポイントだといえる。標準的なx86プラットフォームで動作し、しかも顧客は1テラバイトからのスモールスタートな導入が可能となっている。アプライアンスという専用のハードウェアを必要とせず、コモディティな環境でも稼働するDWHとして、国内市場でも導入を検討する企業が増えつつあるという。

 ワールドワイドでの導入事例は2000社以上、金融、通信、小売、ヘルスケア、オンラインゲームなど業種を問わず幅広く導入されており、Twitter、Groupon、Sprint、Verizon、Zynga、Guessなど、データ分析に積極的な企業での採用が目立つ。

 最近では、クラウドコンピューティングやビッグデータ分析を駆使して2012年の米大統領選に勝利したオバマ陣営でも使われたことが話題となった(関連記事:世論調査の限界を超えろ--オバマ陣営のデータ戦略は「有権者を一人ずつ数える」)。

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