「われわれは、テクノロジを変えることによって、また人間の行動を変えることによって、あるいはその組み合わせによって、企業の行動を変えることができる。つまりわれわれの課題は、ビジネスの機敏さを実現するために、企業を設計することだ」
エンタープライズアーキテクトとITプロフェッショナルの仕事は、機敏さを実現するための活動を推進し、ベンダーに対して、よりエレガントで相互運用性の高いソリューションを提供するよう圧力をかけることだ。Jason Bloomberg氏は、最新の著書「The Agile Architecture Revolution: How Cloud Computing, REST-Based SOA, and Mobile Computing Are Changing Enterprise IT」で、今は、アジャイルアーキテクチャ的な考え方が、エンタープライズITについての考え方を変えつつある時代に入りつつあると述べている。この変化の背後にあるのは、Bloomberg氏が5つの「大きなトレンド」と呼ぶ、技術を扱うマネージャーやプロフェッショナルの役割や認知度を高める流れだ。

提供:U.S. Bureau of Labor Statistics, Occupational Outlook Handbook
1. 場所への非依存性
サービス指向アーキテクチャ的の考え方に組み込まれているサーバの抽象化は、モバイルコンピューティングによって、もう1つの特徴を備えるようになった。「モバイルデバイスや、インスタントメッセンジャー、その他の自分の個人的な状況を示すツールと結びついた、グローバルなフレンドリストを考えてみるといい」とBloomberg氏は言う。それに加え、(SOAの上に構築された)クラウドが台頭した現在、「本当に求められているのは、われわれがいつどこにいても、その時たまたま使っている技術がどんなものであっても、利用可能なサービス」になっている。
2. グローバルパーティション
「ある2人の人間がどこにいても、同じ部屋あるいは同じパーティションの中にいるかのように、一緒に作業し、コミュニケーションを取り、交流することができる・・・ITワーカーが、(古いテクノロジによって作られた)大きな組織の中の歯車に過ぎなかった時代は、過去のものとなった」とBloomberg氏は書いている。「今では、われわれは多くのコミュニティに所属し、純粋な個人から完全に職業人の立場に至るまでのあらゆる立場を取りうる。そして、ITプロフェッショナルは、組織に囚われた従業員ではなく、自分のブランドの持ち主であり、『そのブランドを大組織に貸し出す』存在だ」(私はBloomberg氏の言い回しが気に入っている)