アップルが抱える10の市場リスク--年次財務報告書「Form 10-K」を読み解く

Jordan Golson (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎 2014年11月12日 06時00分

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 米国のすべての株式公開企業に提出が義務づけられている年次財務報告書「Form 10-K」には、その企業が抱えるリスク要因の長いリストが書かれている。中には非現実的なものもあるし、言うまでもないものもあるが、これらはすべてAppleに今後マイナスの影響を与える可能性のある要素だ。

 Appleウォッチャーであり、アナリストでもある筆者は、毎年これらの要素に目を通して、テクノロジ市場全体の強さについて考察するとともに、その中でのAppleの位置を考えることは有益だと考えている。

 この記事では、Appleが抱える市場リスクのトップ10を挙げる。

1.Appleの製品とサービスが対象とするグローバル市場は極めて競争が激しく、技術の変化が速いため、Appleはこれらの市場での競争力を失っていく可能性がある。

 これは言うまでもないことだ。パソコン、スマートフォン、タブレットはすべて非常に競争が激しい市場であり、現状ではAppleの市場シェアは大きいものの、競合相手が突然台頭し、同社を現在の地位から追い落とす可能性は常にある。例えば2004年のNokiaは、無敵であるかのように見えたものだ。

 「Appleが今後も競争に強い製品やサービスを提供し続けられるという保証はない」と、Form 10-Kには書かれている。

2.競争力を維持し、顧客の需要を刺激するには、Appleは頻繁に新製品の導入と製品の移行を行う必要がある。

 Appleは1年サイクルで新型の「iPhone」と「iPad」を発売しており、それよりもやや低い頻度でMacのアップデートも行っている。主力製品を更新するたびに、同社は旧世代の製品の製造を段階的に縮小し、新型の製造を強化する必要がある。グローバルな需要と供給のバランスを管理することはかなり難しい作業だが、過去数年間Appleはこれをうまくこなしている。しかし今後、うまく行かないこともあるかもしれない。

 「Appleは、新製品の導入と移行が最終的にどのような効果をもたらすかを、事前に判断することはできない」

3.Appleは代理店、キャリア、およびその他の再販売業者の業績に依存している。

 同社は500店舗以上の自社の小売店を抱えているが、そのほか世界中にiPhone、iPad、Macを販売し、サポートする数十万店舗の小売店がある。Appleはまた、同社のスマートフォンを販売し、報奨金を支払う携帯通信会社パートナーにも依存している。世界的な通信会社の方針(例えばデータ通信プラン)に変更があれば、同社の事業に大きな影響を与える可能性がある。さらに同社は、自社の小売店の取り組みが拡大すれば、サードパーティーによる販売チャネル拡大が抑制される可能性があるとも述べている。

 「これらの再販売業者の財務状況が悪化する可能性、およびこれらの再販売業者がAppleの製品の流通を停止する可能性があり、またApple製品の需要に関する不確実性が、再販売業者によるApple製品の発注やマーケティングの縮小を引き起こす可能性がある」

4.Appleは購買委託キャンセルのリスクに加え、かなりの在庫リスクおよびその他の資産リスクを抱えている。

 Appleは非常に多くのものを販売している。同社は、iPhoneの流通在庫を5週から7週まで増やそうとしていると述べている。流通在庫とは、製造工場と小売店の顧客の間、卸売業者、輸送中にある製品の量のことだ。つまり、在庫には巨額の資金が動かせない形で固定されていることになる。もし製品や個々の部品が陳腐化したり、発注が多すぎた場合、無駄な在庫によって数億ドルから数百億ドルもの損失が発生する可能性がある。これは、同社が製品の切替を扱う際には最新の注意を払う必要があるという、前述の製品移行の問題に似ている。

 「Appleが競争している業界では、製品の陳腐化が急速に、予測不可能なペースで起こることを考えれば、これに関連する負債を被る可能性がないとは保証できない」

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