5.将来の営業実績は、Appleが必要な量の部品を調達する能力に依存している。
Appleはスクリーン、ストレージ、アルミニウム、携帯電話のアンテナ、レアメタルなど、製品を構成する部品を大量に調達しており、それぞれがまた大量の材料を必要とする。これらが品切れになったり、何らかの不足が生じたり(数年前にバングラデシュで発生した広範囲にわたる洪水は、ハードディスク不足を招いた)することで、Appleの製品製造能力が影響を受ける可能性がある。
「Appleへの新製品や既存製品の部品供給が遅延したり、制約されたり、重要なメーカーからの完成製品の出荷が遅れる可能性がある」
6.Appleは、アウトソーシングパートナーが提供する部品や製品の製造および物流サービスに依存しており、それらのパートナーの多くは米国外にある。
Appleの部品や製品のほとんどは、中国で生産されている。Appleは製造や流通をアウトソースすることで多額の資金を節約しているが、これには代償がある。同社は製品情報のリーク、供給量のコントロールに関する制約、状況変化への対応の難しさなどの問題を抱えている。確かに、Appleのパートナーはそれらの問題を解決すべく最大限の取り組みを進めるだろうが、必ずしもうまくいくとは限らない。
また、中国で生産することに関するリスクもある。中国は、未解決の長期的な政治的・軍事的問題を抱えている。
「これらの処置は部品や完成品の供給確保に役立つが、これらのアウトソーシングパートナーや供給業者に重大な財務的問題やその他事業への致命的問題が発生した場合、それらの資産の正味実現可能額にマイナスの影響を受ける可能性がある」
7.Appleの製品とサービスには、品質問題が発生する可能性があり、これが売り上げの減少や売上高営業利益率の低下を招くと同時に、Appleの評判を傷つける可能性がある。
これはかなり分かりやすい要因だ。「iPhone 4」で発生した「アンテナゲート」問題や、「iPhone 6」の「ベンドゲート」問題のようなスキャンダルは、顧客の評判を傷つけ、売り上げに悪影響を及ぼす可能性がある。しかし、同社はこれまでのところ、この種の問題を比較的上手に切り抜けてきたように見える。
「Appleが、自社が販売するハードウェア、ソフトウェア、サービスのすべての欠陥を発見し、修正できるという保証はない」
8.Appleはサードパーティのデジタルコンテンツへのアクセスに依存しており、同社はそれらのコンテンツを、商業上合理的な条件で利用できるとは限らない。
AppleはiTunes Storeで大量のコンテンツを販売しており、これには音楽、映画、テレビ番組、本なども含まれる。同社は長年、音楽コンテンツ(例えばThe Beatles)の獲得に苦労してきたし、iTunes Storeで動画を取り扱い始めたときにも、映画スタジオやテレビスタジオとの契約獲得に困難があった。