米Adobe Systemsが主催するクリエイター向けカンファレンス「Adobe MAX 2013」が、5月6~8日にロサンゼルスのコンベンションセンターで開催されている。発表によると、50以上の国から5000人が参加するという一大イベントである。
筆者は運良く、本イベントにプレス兼コミュニティーリーダー招待枠(筆者はhtml5jというHTML5開発者向けコミュニティーを主催している)で参加することができた。

※クリックすると拡大画像が見られます
2012年まではどちらかというと「デベロッパー向け」だったという同イベントは、今年「The Creativity Conference」とうたっており、デザイナーやクリエイターに向けた訴求を強めることが予想されていた(日本で事前に開催されていたプレス向け説明会においても、Adobeの担当者が「今回のMAXはちょっとした冒険なんです」と緊張気味に話していたのが印象的だった)。
後から聞いてみると参加者の半数がデザイナーだったとのことで、結果としてはAdobeの狙い通りだったということになるのだろう。
とはいえ筆者のスキルはプログラミングが主で、デザインなどは全くの素人である。むしろ「どちらかというとデベロッパー向け」だった昨年までのほうが、相性が良かったのではないか……。少し不安を抱えながらの参加ではあった。
ところが基調講演に参加してみた結果、そんな心配は吹き飛んだ。
今回のMAXにおける発表は、ウェブデベロッパーにとって面白く、何より重要であった。基調講演全体の流れは、先に公開されたフォトレポート「写真で見るAdobe MAX 2013--アドビが手がけるハードウェアとは」を参照していただきたい。
ここでは、ウェブデベロッパーである筆者の目から見た、基調講演の内容に対する少し詳しい説明と所感を述べたいと思う。
「Creative Suite」は全面的に「Creative Cloud」に移行
初日の基調講演における最大の発表は「Creative Cloud」の大幅なメジャーアップデートであった。これまで「Creative Suite」の製品群を成すものとして「CS」というブランド名で提供されてきた多くの製品が、「Creative Cloud」の略称である「CC」へと移行する(PhotoShop CC、Illustrator CCなど)。
刷新されたCreative Cloudは6月17日から利用できる。そしてCreative Suiteブランドは、現行のバージョン6をもって、事実上終了するわけだ。
こうした「クラウド」化は、筆者から見ると「アプリのクラウド提供」と「クラウドを用いたクリエイティブワークフローの革新」という2つの意味を持っているように見えた。