データ発見および可視化を手がけるTableau Softwareが米国時間5月17日、新規株式公開(IPO)を果たし、この日はビッグデータと分析の業界にとって重要な日となった。同社の株式は同日、ニューヨーク証券取引所で「DATA」のティッカーシンボルで公開された。
Tableauは820万株のクラスA普通株式を1株31ドルで公開。公開初日の17日、株価は初値よりもほぼ64%高い終値となった。Tableauの現在の時価総額は29億ドルとなっている。
Christian Chabot氏
筆者は同日、Tableauの最高経営責任者(CEO)かつ共同創設者であるChristian Chabot氏と話す機会を得て、Hadoop、データサイエンティスト、ビジネスインテリジェンス(BI)スペース、同社のビジネスモデル、そしてTableauの今後について聞いた。
調達資金の目的は1つではない
まず、筆者はChabot氏に、IPOで調達した資金の用途を尋ねた。同氏は、このIPOは事業拡大そのものよりもむしろ、Tableauへの社会の注目や同社の信用を高めるためのものだと答えた。
「Tableau everywhere」が同社の次なるフロンティアだとChabot氏は言う。同氏はTableauの収益が現在、「Windows」のみ、オンプレミスのみの製品から得られており、そのうえ市場からの注目は限定的だと説明する。つまり、これから成長する機会は大きいということだ。
製品かスタックか
すべてが順調な中、Tableauは営業部隊や、おそらく商品構成も拡大するものと考えざるをえない。したがって、筆者はこうした話題についていくつかの質問を投げかけた。
Tableauが未上場企業として成長し、現在はどうやらIPOもかなり順調であることによって、同社は高いハードルを設定したことになる。筆者はChabot氏に、こうした成功はすべて、基本的に単一の商品を中心に実現したものだと指摘し、Tableauがどうやってこの勢いを維持するつもりなのかを尋ねた。
最初にChabot氏は、Tableauの商品が単一だという筆者の前提について訂正し、「Tableau Desktop」「Tableau Server」「Tableau Public」はかなり異なるものだと主張した。筆者は、これは結局のところ記号論だと考える。すべてデータ発見を目的とする3つの異なるエディションは、別個の商品にはならないように筆者には思える。しかし、これらは確かに別々に販売されており、それには意味があるのだ。
筆者はしかし、Tableauから新製品が出る可能性を探ることにこだわってみた。BI分野の競合他社のほとんどは、フルスタックの製品を提供し、データ統合、マスターデータ管理、データ品質、標準レポートなどをカバーしている。Chabot氏は、市場カテゴリを満たすためだけに、完全なBI製品群ですべての人に対応する理由は乏しいと説明した。一方、同社が顧客から大きな需要があると見なす新たな製品分野へと、多角化することには関心があるとも語った。Chabot氏は、データ統合に関する製品は特にTableauの関心の対象だとした。