低効率、低収入が特徴の日本の農業を改革するため、IBMは多くのプロジェクトにおいて無償でこうした活動を実施している。
IBMは世界中で2000件を超えるプロジェクト実績を持つ。教育、安全保障と医療、公共、環境、エネルギーと水資源、交通などの分野だ。テクノロジで社会的課題の解決を支援するという、IT企業の従来のビジネスとはかなり異なる分野に着目しているわけだ。
日本IBM社長のMartin Jetter氏。
東北では、青森県の津軽りんご市場、秋田県のあきたスマートシティ、山形県のSAHANA(災害救済情報管理システム)による避難所支援、岩手県久慈市での漁業6次化トレーサビリティ、宮城県仙台市ではスマートシティ、農業6次化など、福島県では米、桃のトレーサビリティ、伊達市のスマーターシティチャレンジなどのプロジェクトが始まっている。
この日は、日本IBMのマーティン・イエッター社長が「スマートな時代の競争優位」をテーマにオープニングの講演を務めた。
Jetter氏は「テクノロジがどのようにスマーターシティを実現できるのか」というIBMが掲げる命題を示す。打開策がいろいろある中で「何よりもデータの活用が大切」だとする。
「電力供給量やセキュリティリスク、消費者の購買パターンなど、さまざまな洞察がデータ分析から得られる。データは天然資源であり、競合優位性の源泉だ」(同氏)
今後のポイントとして、「分析機能」「ソーシャルネットワーク」「個人を対象にデータを分析することの重要性」を指摘。「一人ひとりへのマーケティングの実現が鍵を握る」と話した。