アイ・ティ・アール(ITR)が6月11日に発表した調査によると、2012年度の国内人材管理市場は前年度比12.8%増の約17億円になったという。2011~2016年度野年平均成長率(CAGR)は9.2%を予測している。
タレントマネジメントともいわれる人材管理はグローバルに展開する大企業から注目を集めている。2011年度の出荷金額は前年度比48.0%増の約15億円だった。2012年度も同様の傾向が続いていることから前年度12.8%増と引き続き大きな伸びとなった。市場の注目度の高まりとともに参入ベンダーも拡大していることから、CAGRは9.2%と予測している。
同社のプリンシパル・アナリストである浅利浩一氏は「タレントマネジメントと呼ばれる人材管理が注目を集めており、企業からの問い合わせも増えている。グローバル人材の育成を強化するといった長期、大局的な目的もその背景にある」と現況を説明する。
「ただし、人事管理と機能が重複する部分がある点と、タレントマネジメントが適切に理解されておらず、過度の期待によるトレンドも存在する。現状の人事システムでは、なぜ人材のデータベース化や戦略的な活用ができなかったのか、企業は根本的な原因を直視することから検討を始めるべきである」(浅利氏)
人材管理市場の推移と予測(出典:ITR)