グーグル、データ提供に関する情報公開の機会求める--米政府に向けて公開書簡

Declan McCullagh (CNET News) 翻訳校正: 編集部

2013-06-12 08:51

 Googleは米国時間6月11日、米政府に対し、法的拘束力のある口外禁止命令を解除し、同社が米連邦捜査局(FBI)に提出を強制される情報に関する憶測や誤った報道を正せるようにしてほしいと要請した。

 カリフォルニア州マウンテンビューを拠点とするGoogleは、Eric Holder米司法長官とFBIのRobert Mueller長官に宛てた「透明性」を求める公開書簡の中で、異例なまでに高まった世論の圧力をObama政権に事実上向けている。Obama米大統領は「史上最も透明な政権」であると主張しているが、批評家らからは異議が唱えられている。

 Google、Apple、米Yahoo、Microsoft、Facebookなどのインターネット企業は、自社サーバに米国家安全保障局(NSA)が「直接アクセス」できるようにしているとする2件の記事が6日に報道されたことによって、打撃を受けた。しかし、7日夜には米CNETが同報道は事実ではないと報じ、The Washington Postは「PRISM」に関する同紙の元の報道を撤回した。同紙は11日付けの論説で、プロセスは法的な「基準」を満たしており、「司法審査」を受ける必要があると述べた。

 しかし、ユーザーの信頼の上に成り立ち、さらに多くのデータがクラウドに保存される未来にユーザーを導こうとしているシリコンバレーの企業らにとって、プライバシーに関して根強く残る懸念は、単なる懸念にすぎないとしても消し去る必要がある。

 Googleの最高法務責任者(CLO)を務めるDavid Drummond氏の署名が入った11日の書簡では、外国諜報活動偵察法(Foreign Intelligence Surveillance Act:FISA)に基づいて同社が受ける要請の件数とその範囲に関する情報を開示する権利を求めている。同書簡には次のように記されている。

 われわれは常に、有効な法的要請に従う意志を明らかにしてきた。そして先週、米国家情報長官は、サービスプロバイダーが外国諜報活動偵察法(FISA)に基づく要請を受けていることを認めた。

 われわれがこれらの要請に従うことによって、米政府がわれわれのユーザーのデータに自由にアクセスできるとする報道の主張はまったくの誤りである。しかし、Googleが受けるFISAに基づいた国家安全保障に関する要請の件数、および、これらの要請の対象となるアカウント数に関する政府の守秘義務によって、その憶測はさらに強まっている。

 そこでわれわれは、Googleが「Transparency Report」において、FISAに基づいた開示を含む国家安全保障に関する要請の総件数(われわれが受けた件数とその範囲の両方)を公表できるようにしてほしいと依頼する。Googleによる情報公開によって、これらの要請に従うわれわれの対応が、報道によって主張されている内容とはかけ離れていることが明らかになるはずである。Googleには隠さなければならない内容は何もない。

 米CNETは米司法省とFBIにコメントを求めたが、直ちに得られなかった。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]