OS「Windows XP」のサポートが2014年4月9日に終了する。残された時間は8カ月となった。サポートが終了するのは、同OSの32ビット版のService Pack(SP)3と64ビット版のSP2、それらの上で稼働するアプリケーションとして「Microsoft Office 2003(SP3)」と「Internet Explorer 6」になる。
サポート終了に伴うユーザー企業への影響について、東芝グループの東芝情報機器(TIE)は「脆弱性を突いたウイルス感染、アプリケーションや周辺機器でのサポート終了、問題発生時の対応の遅れ」を挙げている。Windows XPを提供するMicrosoftが情報を提供しなくなることから、PCの周辺機器を開発するベンダーのデバイスドライバなどのサポートも終了することになる。
また、電話やメールでのサポート、関連情報の提供も終了することで、ユーザー企業内部で問題が発生したとしても、その原因究明や対応が難しくもなる可能性も自ずと浮かび上がってくることになる。Windows XPを今も使い続けているユーザー企業は、サポート終了まで、あと8カ月でクライアントマシンの環境を別の環境に移行しなければならない。
だが、移行完了までには「アプリケーションの検証作業、展開作業、データや環境の移行作業など、予想以上に時間と工数がかかる」とTIEでは現状を説明する。単純に後継OSである「Windows 7」「Windows 8」に移行するにしても、時間と工数がかかる。クライアントマシンの数が多ければ多いほど、時間と工数が大きくなる。
3000台を3カ月で移行
TIEは現在、Windows XPからWindows 7/8への移行支援策として「リプレース支援サービス」と「アップグレードサービス」の2つを主に提供している。前者のリプレース支援サービスは、Windows 7/8が入った、新しいクライアントマシンに現行のクライアント環境を移しかえるもの。後者のアップグレードサービスは、既存のクライアントマシンのOSを移しかえるものになる。
クライアントマシンを新しいものを刷新する場合、現在の使い慣れた環境を移行するには、ファイルサーバやUSBで接続されたハードディスク(HDD)を活用するのが一般的だ。だが、これらの場合、旧マシンからのバックアップと新マシンへのリストアと、2回コピー作業が必要になる。
単純に1台ずつでも手間がかかることになるが、複数台を同時に移行する場合となると、ファイルサーバだとネットワークに負荷がかかるし、USB接続のHDDだと、複数台用意する必要がある。Microsoftは環境移行ツールを提供しているが「準備するだけでも1時間かかる。データの転送時間はさらに1時間かかる」(TIE)という。
TIEが提供するリプレース支援サービスは、Microsoftの環境移行ツールとTIEの独自のツールを活用。このサービスでは、LANクロスケーブルで新旧のマシンをつなぎ、データを転送する。「1回のコピー作業で完了する。かかる時間は1セットあたり84分短縮できる」と、TIEはその優位性を強調する。Microsoftの環境移行ツールだけだと158分かかっていたものが、TIEのサービスであれば、74分ですむと説明する。
TIEが提供するリプレース支援サービスは、同社技術者がユーザー企業に訪問して作業する“オンサイト”、同社がクライアントマシンを預かって作業する“ピックアップ”、ユーザー企業が自ら作業する3つの形態で利用できる。