アクロニス・ジャパンは11月21日、モバイルファイル管理ソフトウェア「Acronis mobilEcho 5.0」、ファイル共有ソフトウェア「Acronis activEcho 3.0」の発売を開始した。モバイル端末を安全に利用できる環境の構築を支援することを図る。
mobilEchoは、モバイル端末から企業内のファイルサーバやNAS、SharePoint上にあるファイルに安全にアクセスできるソフトウェア。社内のファイルサーバやNASに対するゲートウェイのような役割を担う。
新版では、ユーザーインターフェースを一新、より直観的な操作が可能になるとともに設定、管理画面がすべて日本語化された。Active Directoryと統合でき、認証やユーザー管理を簡略化する。対応している環境上にあるファイルへのアクセスをトラッキング、管理できる。モバイル端末を紛失した場合、遠隔操作でデータを消去するリモートワイプ機能も備えている。
新版ではまた、Micrsoft Officeのファイルやテキストファイルの編集、新規作成が可能になっている。パブリッククラウドの「SharePoint Online for Office 365」上のコンテンツにアクセスできるほか、端末にコンテンツをダウンロードした場合、有効期限を設定することも可能だ。
activEchoは、企業ユーザーが各種端末からファイルに安全にアクセスし、それらの端末で相互にファイルの同期や共有ができるようにする。新版では、こちらもmobilEcho 5.0と同様、ユーザーインターフェースの刷新と設定、管理画面を日本語化している。
Acronis プロダクトマネジメントダイレクタ Marcelo Andrieu氏
アクロニス・ジャパン リージョナル・プロダクト・マネージャ 古舘與章氏
activEcho 3.0では、フォルダ全体だけでなく、ファイルごとに共有できるとともに、フォルダ全体のダウンロード、ファイルごとのアップロードも実現させている。WindowsやMacだけでなく、iOSやAndroidに対応する端末からのフォルダ共有も可能となった。
米AcronisのプロダクトマネジメントダイレクタのMarcelo Andrieu氏は「当社は、時間や場所を問わず、PCやMac、モバイル端末からの安全なファイルアクセス、同期、共有を実現する。企業のIT部門は、セキュリティ、コンプライアンス、BYOD(私物端末の業務利用)など、さまざまな課題に直面しており、彼らを支援するために今回の2製品を発表した」と話す。
mobilEchoとactivEchoは「銀行や保険などの金融、医療といった価値の高い文書を扱う業種、官公庁など特に規制やコンプライアンスが厳しい業種で良く支持されている」(Andrieu氏)という。国内では「製品を投入して半年で今のところ、限定的な展開」(アクロニス・ジャパン リージョナル・プロダクト・マネージャ 古舘與章氏)。だが、「現時点では流通や製造業などからの引きが良い。今後、米国市場と同様の浸透を図っていきたい」(古舘氏)としている。
税別価格は、mobilEchoが10万2000円から、activeEchoが33万4000円から。どちらも1ユーザーが3端末まで利用できる。両製品とも、初年度の価格に保守費用も含まれ、翌年以降の保守費用は価格の25%。ライセンス数で価格は変動する。ソフトバンクBB、ダイワボウ情報システムを通じて販売する。