SAPジャパンは4月2日、モバイルコンテンツ管理ソフトウェア「SAP Mobile Documents」のクラウド版とオンプレミス版の提供を開始したと発表した。スマートフォンやタブレットの普及で、ビデオ、文書、スプレッドシート、プレゼンテーション資料といった社内コンテンツへのモバイルアクセスのニーズが高まる中、モバイル端末から社内のコンテンツに安全にアクセスできる環境を構築できる。
iPad、Windows、MacおよびHTML5対応ブラウザから利用でき、iPhoneやAndroid端末にも順次対応予定としている。
社内コンテンツは通常、電子メールでやり取りされたり、モバイル端末や消費者向けのサードパーティが提供するファイル共有サイト上に保存して共有されたりしており、セキュリティ面の弱さが指摘される。
Mobile Documentsの導入で、IT部門は社内コンテンツの集中管理やセキュリティポリシーを強化できる一方、ユーザーはいつどこからでも、あらゆるモバイル端末から社内コンテンツにアクセスできる。

SAP Mobile Documentsの画面
Mobile Documentsでは複数のモバイル端末間でファイルを同期。ファイルはワンクリックでオフライン利用できるよう端末に保存され、端末がオンラインになった時に自動的に最新の状態に同期されるという。
特定のグループ内での複数ユーザーによるファイル共有も、ファイルを共有フォルダに保存するだけで可能。フォルダには共有するユーザーの範囲や期間、パスワードなどを設定できる。
セキュリティ面でも、アクセス権限設定、フォルダ単位のパスワード設定、有効期限設定など、IT管理者が集中管理できるようにセキュリティポリシーも細かく設定できる。ファイル漏えいのリスクを軽減し、ビジネス利用を前提としたセキュリティを確保できるとしている。
今後は、MDM(モバイルデバイス管理)ソフトウェア「SAP Afaria」との連携もサポートする。モバイル端末からアプリケーション、コンテンツまでの統合管理を実現でき、ユーザーごとやドキュメントごとのセキュリティポリシーの設定も行えるようにする。
クラウド版とオンプレミス版の中間にあたるハイブリッド版も2013年第2四半期中に提供開始予定としている。