最終的な焦点は個人向け市場を交えたビジネスストーリーにあり
11月26日のCNET Japanの記事で、MicrosoftのDevices and Studios部門のエグゼクティブバイスプレジデント、Julie Larson-Green氏が「Windows Phone OS、Windows RT、そして完全版のWindowsがある。このまま3つのバージョンを維持するつもりはない」と話した。「Windows」の冠をつけるにはRTは不完全だったとの反省が背景にあったとする一方で、いずれにしてもPC版、タブレット版、モバイル版のWindowsを統合する構想であることが分かった。
となれば、世界中のPCに導入されているWindowsとWindows Serverを軸に、ゆくゆくは個人向けPCやタブレット、スマートフォンの領域をしっかりと取りに行く戦略を描いているはずだ。
端的に言えば、Appleがこの数年、iPod、iPhone、iPadで築いた陣地を、オセロの要領でひっくり返しにくる可能性がある。サーバ、PC、タブレット、スマートフォンがスムーズに連携するというアドバンテージは、技術的に言えば確実に存在するからだ。
だが、やはりそんな未来がいまひとつ想像できないのは、Microsoftに「Steve Jobs」のような人物が見当たらないからである。製品面で言えば、Windowsが培った存在感は言うまでもなく、日本ではほとんどユーザーがいないWindows Phoneもその完成度の高さを指摘する声は特に米国や欧州に多い。
今後のMicrosoftに必要なのは、コンシューマー向け製品と企業向け製品を組み合わせ、それをブランド化して人々に訴求する、魅力的なストーリーを打ち出すことではないか。それができる人物は誰か。候補者選びの実情はさておいて、ここでは、身勝手な選抜をしてみたいと思う。
少しイメージがつながる職種として、映画監督が浮かぶ。コンピュータグラフィックスや撮影機材など裏方で最新の技術を使いながら、コンテンツが持つ力で人々が感動する作品をつくる。一方で、緻密なマーケティング力でプロモーションを展開し、映画館に人を呼び込む感覚も持ち合わせている必要がある。
と考えてズバリ、「Steven Spielberg CEO」なんていかがだろう。Spielberg氏がMicrosoftをどのように描き切るのか――空想して少しワクワクしてしまった。
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