“クラウドOS”軸にデバイスからサービスまでを手掛けるマイクロソフトの要点

加山 恵美 2013年11月25日 12時05分

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 日本マイクロソフトは11月21~22日にイベント「The Microsoft Conference 2013」を開催し、最新の製品やサービスを披露した。基調講演には同社代表執行役社長の樋口泰行氏が登壇し「今年は日本経済が好転しているものの、環境変化がもたらした影響が大きい。自助努力で力を取り戻していくのはまだこれから。企業が競争力を高め、グローバルに戦えるようにならないと日本の復権はない。この新しい時代にITが果たす役割は大きい」と話した。

 Microsoft InternationalプレジデントのJean-Philippe Courtois氏も登壇し、日本への期待を寄せた。加えて「マイクロソフトはデバイスとサービスの会社として成長している」(Courtois氏)と述べた。

樋口泰行氏
日本マイクロソフト 代表執行役社長 樋口泰行氏
Jean-Philippe Courtois氏
Microsoft International プレジデント Jean-Philippe Courtois氏
西脇資哲氏
日本マイクロソフト エバンジェリスト 西脇資哲氏
沼本健氏
Microsoft コーポレートバイスプレジデント サーバー&ツール マーケティンググループ 沼本健氏

 従来マイクロソフトというと「Windows」や「Office」などソフトウェアのイメージが強い。しかし今では「Surface」や「Kinect」といったデバイスから「Windows Azure」のクラウドサービスまで幅広く手がけている。樋口氏は「マイクロソフトは皆様の資産を保全しつつ、これからはデバイスからサービスまで総合的に提供できるのが強みとなる。バラバラの技術を押しつけるのではなく、端から端まで力を入れていく」と力強く抱負を述べた。

 マイクロソフトの総合力は日本マイクロソフトのエバンジェリスト西脇資哲氏により披露された。まずはKinectによる手話認識から。みずほ情報総研ではKinectで手話を認識し、顧客とのコミュニケーション支援に役立てているという。

 新しいKinectでは人間の心拍数や顔認識も行える。読み取ったデータはWindows PCを経由し、SaaS「Office 365」で共有できる。医療機関なら「Lync」のビデオチャットで医療チームが治療方針を相談したり、3Dプリンタに対応した「Windows 8.1」から臓器の立体モデルを作成し患者に説明することも可能だ。

 4Kに対応している最新Windowsタブレットでは高精細な診断画像が見られるほか、防塵、防滴、さらに薬品への耐性もあるという。患者が手術同意書にサインするときもタブレットから。使い勝手と衛生面を考慮してペンが使えるのもポイントだ。ほかにも外食店の業務でスマートフォンやPCを活用する例も披露された。

 Office 365の導入も着々と進んでいる。マイクロソフトによると日経平均225銘柄企業のうち60%がOffice 365を利用しているという。

 マイクロソフトが今後目指すテクノロジの方向性についてはMicrosoft コーポレートバイスプレジデント サーバー&ツール マーケティンググループの沼本健氏が解説した。キーワードは“クラウドOS”。マイクロソフトが考える現代のビジネスに適応するための統合的なプラットフォームを示すビジョンだ。

 “クラウドOS”には大きく分けて3つの特徴がある。まず1つめには「エンタープライズグレード」。「bing」や「Skype」、Office 365のようなグローバルで運用されるサービスに求められる性能や拡張性、セキュリティを持ち合わせていることだ。次に「ハイブリッド設計」。オンプレミスからクラウドまで、あらゆる環境で一貫して同じように利用できること。最後に「ユーザー中心のアプローチ」。これまでの製品と同じ使い勝手を維持しつつ、製品やサービスをクラウドに拡張していくという顧客を重視した姿勢だ。マイクロソフトはこの“クラウドOS”というビジョンを軸に製品やサービスの開発や改良を進めていく。

 事例の1つとしてAgoopでのビッグデータ利用が挙げられた。スマートフォンアプリで生成されたビッグデータから人口の移動データを抽出したサービスはWindows Azureで提供され、ユーザーはExcelのPower Mapで視覚化された結果を見て分析する。

 例えば、ある店舗の店長は来店した顧客の動きをExcel上の地図で見ながらキャンペーン戦略を練ることができ、そのサービスはWindows Azureが使われているという具合だ。

 基調講演では「2014年前半にはWindows Azureを東日本と西日本、2つのリージョンで使えるようになります」という予告もあった。マイクロソフトはクラウド時代に適応した製品群を開発し、総合力を強化していく姿勢を明らかにした。

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