愛知県、東南海沖地震に向け基盤を刷新

山田竜司 (編集部)

2014-01-10 16:38

 愛知県は経費削減や安定的運用のため、汎用機を廃止するなど情報システム基盤の再構築に取り組み、プライベートクラウド基盤と遠隔バックアップシステムを構築、2013年10月から運用している。導入を担当したネットワンシステムズが1月10日に発表した。

 愛知県は、大型の汎用機で稼働している12個の業務システムを新基盤へと移行し、個別のサーバで稼働している業務システムも本基盤へ順次移行する予定という。これら業務システムのデータは、愛知県外の異なる電力会社管轄の地区へバックアップする。同基盤を構築し、汎用機を廃止することにより運用コストを削減、東南海沖地震に備えた事業継続、災害対策が可能と説明する。

 汎用機の運用では課題として、長期運用により業務システムのプログラムが複雑化し、法制度改正等への対応が困難なことや、プログラム修正や運用管理が可能な技術者が減少していること、現在使用している汎用機がオーバースペックであることなどがあったという。

 愛知県はこれらの課題を解決するため、プライベートクラウド基盤を新たに構築して業務システムを移行、2014年3月末に汎用機を廃止することを決定した。このプライベートクラウド基盤は「運用コストの削減」「安定稼働」「ベンダーロックインの排除」を運用要件とした。


愛知県庁のプライベートクラウド基盤

 新基盤ではVMware、Cisco、EMCの製品を組み合わせ、物理サーバと仮想サーバ双方が一括設定可能で、障害時は迅速に復旧される仮想インフラを実現したという。また、遠隔地へのバックアップについて、重複排除機能によってネットワーク負荷を軽減したと説明する。

 またオープンソースの統合運用管理ソフトウエアであるHinemosなどを活用し、物理環境と仮想環境双方の状態監視、ジョブ管理、ログ管理やバックアップ管理などを一括管理し自動運用化することによって、運用管理負荷を低減できるとアピールした。

 同基盤では、プライベートクラウド基盤上のシステム以外の全庁のシステムでも共通して利用可能なデータ連携やウイルス対策、印刷管理、DNSなどの機能を利用可能という。

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