中小企業やコンシューマー向けのクラウドビジネスを開拓しようとしている企業を中心に、これまでの営業部主体とは異なる営業スタイルの必要性を感じている企業が増えている。
大口契約が見込める大企業相手の商売なら、専任の営業部隊をアサインすることも可能だが、スモールスタートで始まるスタートアップや、数万円単位の商売になることもある中小企業向けのビジネスでは、より効率的な販売施策が重要になるからだ。
こういった課題に対処するため先行する企業では、「勉強会や社外コミュニティ」を企業活動に生かし始めている。会社で開催する勉強会というと、社員同士が集まって情報共有することを想像する人も多いだろう。しかし、今業界をリードする企業は「社外向け」の勉強会を主催することで他社と差別化を図っている。
今回はNTTコミュニケーションズが提供するパブリッククラウドサービス「Bizホスティング Cloudn(クラウド・エヌ)」の「勉強会と社外コミュニティ活用術」について、CloudnのPR、マーケティング担当の林雅之氏に話を聞いた。
1年でユーザー数を約4倍にしたCloudnのマーケティング施策
--林さんの現在の担当業務について教えて下さい。
クラウドサービスの広報や宣伝、マーケティング、アナリストリレーションズを担当しています。業務としてはニュースリリース、取材対応、イベントやセミナーの企画運営、クラウドパートナープログラムの管理、社外のユーザーコミュニティ、クラウド関連団体との窓口業務を担当しています。
--Cloudnとはどんなサービスなのでしょうか。
月額945円から利用可能なパブリッククラウドサービスです。多数のAPIを実装しているため他クラウドとの連携も容易です。料金設定も1時間単位からの利用が可能でトラフィック課金はありません。そのためどれだけ利用されても月945円以上はかからず、個人の方にも安心して利用できます。
個人やSOHO、中小企業から大企業の方まで幅広い利用を想定しているサービスなので、全ての顧客に営業をアサインすることは不可能です。このため、企画当初から「営業が売らなくても、売れるクラウド」にすることがコンセプトとしてありました。
--実際に営業部経由の販売は少ないのでしょうか。
新規契約者の申し込み経路の比率は、ウェブからの申し込みが6割、パートナー経由での販売が2割、営業経由での販売は1割となっており、当初の目標は実現できています。
Cloudnのユーザー数は2012年度は1100ユーザーでしたが、決算資料では2013年度は4200ユーザーを見込んでいます。