IBMのQ1決算、売上高は予想下回る--ハードウェア事業が依然不振

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 湯本牧子 長谷睦 (ガリレオ)

2014-04-17 11:52

 IBMの2014年第1四半期決算は、同社がまだ移行の初期段階にあることを浮き彫りにするものだった。ハードウェアの販売は不振が続き、全体の売上高は予想を下回り、多少なりとも成長を示した部門もほとんどない状態だ。

 IBMが報告した第1四半期の純利益は24億ドル(1株あたり2.29ドル)で、前年同期比で21%減となった。同四半期の売上高は225億ドルで、前年同期と比べて4%減少している。純利益には、人員削減の費用8億7000万ドルと、カスタマーサービスのアウトソーシング事業の売却で得た1億ドルが含まれている。

 第1四半期の非GAAPベースの利益は1株あたり2.54ドルだった。

 ウォール街の予想では、IBMの第1四半期の売上高が229億1000万ドル、非GAAPベースの利益が1株あたり2.54ドルになるものとみられていた。

 今後の見通しについて、IBMは2014年通期の非GAAPベースの利益が1株あたり18ドルに達する可能性があると述べた。IBMの最高経営責任者(CEO)を務めるGinni Rometty氏は、今後も「Watson」やクラウドなど、より高い成長が見込める事業への移行を進めるとしている。

 IBMを悩ませている問題は、事業部門別の実績を見れば明白だ。IBMのコア事業はソフトウェアを除いて成長しておらず、現状維持にも苦戦している。


 ソフトウェア部門はミドルウェアが主導したが、ハードウェア部門はメインフレームの「System z」「Power Systems」、ストレージの落ち込みによって打撃を受けた。



 IBMの最高財務責任者(CFO)を務めるMartin Schroeter氏は次のように述べている。

 Systems and Technology(部門)の売上高24億ドルは、(前年同期比で)23%減少した。これはSystem zの製品サイクルと、Power(Systems)、ストレージ、「System x」における長期的な課題の両方を反映している。1月、われわれは当社のSystem x事業を売却することでLenovoと正式契約を締結した。さらに第1四半期には、当社のハードウェア事業の他の部分でも適応性をさらに高めるため、製品のリポジショニングを継続した。

 Schroeter氏は、System xのLenovoへの売却について、ハードウェア事業のスリム化と収益性向上につながると述べた。同氏はさらに、マイクロプロセッサ「POWER8」のリリースもハードウェアを後押しすると付け加えた。

 Schroeter氏はさらに、IBMはWatsonや「BlueMix」などの成長事業に投資しているとして、研究開発費を切り詰めているわけではないことを示唆した。また、モバイル事業は前年同期比で2倍に成長している。


この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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