Hewlett-Packard(HP)は同社のオープンソースのクラウドコンピューティング製品とそのサービスに対して、向こう2年間で10億ドル以上を投入する計画だ。
HPが米国時間5月7日に発表したところによると、同社は、「HP Helion」と呼ばれる製品ポートフォリオのもとでOpenStackベースのパブリッククラウドサービスを今後2年間かけて20カ所のデータセンターで利用可能にするという。HP Helionには同社の既存クラウド製品やOpenStackベースの新サービス、そしてハイブリッド型のIT環境を構築および管理する企業を支援するためのプロフェッショナルサービスとサポートサービスの双方が含まれている。
またHP Helionの発表の一環として、同社は以下を含む新たなクラウド製品およびサービスを発表した。
- 「HP Helion OpenStack Community edition」:概念実証やパイロットプロジェクト、基本的なプロダクションワークロードに適した無償のクラウドプラットフォームである。世界規模の企業やサービスプロバイダーを対象とした商用の拡張版は、数カ月後をめどにリリースされる予定となっている。
- 「HP Helion Development Platform」:「Cloud Foundry」をベースにしたPlatform as a Service(PaaS)である。これによって、IT部門や開発者に対して、アプリケーションを開発や配備、管理するためのオープンプラットフォームが提供される。
- 「HP's OpenStack Technology Indemnification Program」:HP HelionのOpenStackコードを使用する顧客を、サードパーティーが保有する特許や著作権、営業秘密に関する権利の侵害に関する申し立てから保護する。
- 「HP Helion OpenStack Professional Services」:クラウドの計画や実装、運用の面で顧客を支援するための、HPのコンサルタントやエンジニア、クラウド技術者からなるチームによって提供される新サービスである。
HPによると、Helion製品群に対して向こう2年間にわたって10億ドル以上を投入する予定だという。同社は、OpenStackをベースにした無償ソフトウェアのリリースによって、既にOpenStackベースのクラウドホスティングを提供しているRed HatやOracleと同じ土俵に立つことになる。
同社は現在、27カ国で80以上のデータセンターを運用している。
OpenStackはHPが大きく貢献しているクラウドコンピューティングプロジェクトだ。この共同の取り組みには、米航空宇宙局(NASA)やRackspace、Intel、IBM、VMwareも参加している。非営利の同プロジェクトは、クラウドプロバイダー間の相互運用性を支援することを目的としており、オープンソースのクラウドコンピューティングプラットフォームは、「Apache 2.0」ライセンスの下で自由に利用できるようになっている。
HPは3年前から自社内でOpenStackベースのクラウドサービスを運用してきており、その経験から「企業はオープンでセキュアな、そしてアジャイルなソリューションを必要としている」ことを学んだと述べている。
提供:HP
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。