誰もがウェアラブル分野に参入しようとしているところを見ると、2014年の初めに見られた流行は一時的なものではなかったようだ。
ウェアラブルテクノロジの発展によって、まだ市場では主流となっていないもう1つのモバイルトレンドに対して、有望な機会がもたらされる可能性がある。そのトレンドとは、モバイル決済だ。
クレジットカード大手のVisaもまた、「Visa Cloud Payment Solutions」の導入によってウェアラブル分野に(広い意味ではモノのインターネット、つまりIoTにも)参入しようとしている。
「Visa Digital Solutions」とも呼ばれるこのソリューションにより、同社は(モバイル機器をかざす)ジェスチャーや、(QRコードの)スキャン、クリックによる決済方法のサポートを表明することで、今までのプラスチック製カードを用いた決済手段から踏み出そうとしている。
同ソリューションにより提供されるサービスでは、セキュリティを向上させるために、16桁のアカウント番号の代わりにデジタルトークンが用いられる。
ISO標準に基づくこのトークンは、モバイル機器上に直接保管されるようになっており、特定の業者やモバイル機器に、あるいは商品種類にさえも使用を限定することができる。
機器の紛失や盗難が発生した場合、該当機器に対応付けられているトークンは、アカウント番号の変更処理や、従来のプラスチック製クレジットカードの再発行処理をせずとも再発行できる。
Visa Digital Solutionsは当初、「Visa Ready」プログラムを通じて提供され、機能の一部は即座に利用可能になる。2015年1月までにはすべての機能が商利用できるようになる予定だ。
またVisaは、同社のプラットフォームをより多くの金融機関や業者、サードパーティーの決済企業に利用してもらうために、2015年の初めにSDKやAPIといったツール類を開発者に提供する計画だ。
Visa Cloud Payment Solutionsの発表に先立ち、先々週には「Visa Checkout」の提供開始が発表されていた。Visa Checkoutは、コンシューマーがオンラインで商品を購入する際、その決済を実質的にあらゆるモバイル機器から行えるようにするための新しいアプリだ。
同社は既に180以上の金融機関からVisa Checkoutへのサポートを取り付けている。それらの金融機関にはBank of AmericaやChase、Wells Fargo Bank、Citiが含まれる。
Visa Checkoutアプリの提供開始は、サンフランシスコに新たに開設された同社のイノベーションハブのテープカットの場で発表された。
AutodeskやSalesforce.comも入居しているOne Marketの中に設けられたこのハブは、次世代のeコマースアプリを生み出す目的で、業界のパートナーやVisaの技術者、ベイエリアのテクノロジコミュニティーが集う場所になる見込みだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。